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岩瀬大輔『入社10年目の羅針盤』

楽しい仕事はない。でも、楽しく仕事をしている人がいるのはなぜか。

私的要約

ハーバードの教授の著書の中に、『Knowing “Just Enough” -これで十分、満足したことを知る-』という言葉がある。『足ることを知る』と置き換えることもできるこの言葉は、著者の岩瀬氏の人生の指針となっている。
何をもって自分が満足するか、それを知っている人こそが幸せになれる。逆に自分がどこで満足するか知らない人は、たとえどれだけ物質的に恵まれても心は満たされず、永遠に幸せをつかむことができない。そんな風に解釈できる言葉だ。
『仕事なんて、そもそも楽しくないのが当たり前』
仕事に不満を抱える人の多くは、環境などのせいにする。多くの人は『楽しい仕事』がどこかにあると思っていて、それを探そうとしているように見える。しかし、世の仕事というのはいつも、面倒なこと、嫌なことの連続である。
それでも、実際には仕事を楽しんでいる人はいる。つまり、『この世に楽しい仕事とつまらない仕事があるわけではない。すべての仕事は気の持ちようによって楽しくもなるし、つまらなくもなる。』ということだ。
自分が仕事をいかに楽しむか、それは、一度自分が何を大事にして働いているか整理してみると良い。
岩瀬氏の場合は、
① 何をやるかよりも『誰とやるか』
② 自分にしかできない『何か』はあるか
③ 社会に『足跡』を残したい
という3つの仕事観を大切にしているそうだ。
逆に、仕事がつまらなくなる原因としては、
① コミュニケーションがうまくとれないから
② 自分のスキルが足りないから
③ モチベーションが上がらないから
④ キャリアプランがうまくいっていないから
⑤ プライベートに問題があるから
⑥ チャレンジしていないから
が挙げられるという。仕事を楽しむためには、この6つの原因を1つずつ解消していけばよい。仕事を楽しめない人はよく、その理由を外に求めようとするが、もしかしたら自分が解決のカギを持っていることに気づいていないだけなのかもしれない。本当はどれも自分次第でどうにでもなることばかりである。
働くとは何か。気持ちよく働くために大事なことは何か。どうすれば人生は豊かになるのか。
この本は、私たちに新たな気づきを与えてくれる本である。

教育×読書

『気分が乗らない時のために、力を発揮できるパターンを用意しておく』
これは、勉強についてもいえることだと思う。
気分屋でなくても、『どうしても気分が乗ってこない』という日があるかもしれない。しかし、気分が乗らないからといって勉強を1日休むわけにはいかない。最高のパフォーマンスを発揮することが求められる。では、どうすれば良いのか。
人によってその手法は異なるだろうが、気分を切り替えることができる『何か』を持っておけば良い。お茶を飲む。誰かと会話する。ガムを噛む。体を動かす。万人に共通する方法はないため、自分がチカラを発揮できるパターンをいくつか見つけておくべきだ。
能力の高い人が仕事ができる人なのではなく、自分の能力を上手に引き出すことができる人が、仕事ができる人なのである。これは、勉強についても同じである。
最終的な理想は、やる気というエネルギーを使う必要もないよう習慣化してしまうことだが、そこにはなかなかたどり着けないかもしれない。そういうとき、自分の能力を上手に引き出す術、パフォーマンスを最大にする術を知っておくことが、気分が乗らない日を乗り越える最善の方法になるのだろう。

私的感想

入社18年目です。ありがたいことに、私は仕事が楽しくて仕方がないです。
もちろん、振り返ってみたときにつらい時期もありました。辞めようかと思うことも何度もありました。しかし、それこそ自分の気の持ちようで乗り越えてきた気がします。
仕事に対する価値観は人それぞれです。私がしている仕事について、楽だろうと思う人もいれば、大変だと思ってくれる人もいるでしょう。それでも私は楽しいと感じています。結局、心の持ちようなのだというのがよくわかります。
私はよく生徒に、『泣いても笑っても入試の日は来る。だったらベストを尽くそうや。』という声掛けをします。思えば、私の価値観自体がこれなのでしょうね。
泣いても笑っても明日は来る。だったら、今日のベストを尽くそう。
これからも心を燃やす生き方ができたらいいなと改めて思った1冊でした。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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