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近藤真理恵『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』『人生がときめく片づけの魔法2 改訂版』

片づけとは、自分自身、そして人生と向き合う行為なのです。

私的要約

著者、近藤真理恵さんは、片づけに真剣に向き合ってきた経験と、たくさんの『片づけられなかった人』を『片づけられる人』に導いてきた経験から、自信を持って言えることは、『家の中を片づけると、その人の考え方や生き方、そして人生までが劇的に変わってしまう』ことであると言う。
それは、片づけをしたことで、『過去に片をつけたから』であり、その結果、人生で何が必要で何がいらないか、何をやるべきで何をやめるべきかが、はっきりわかるからである。
片づけは『マインドが9割』だと正しく理解しないと、どんなにモノをたくさん捨てたり、収納に工夫を凝らしたりしたところで、元から片づけが得意な人以外は、いつか必ずリバウンドがやって来る。
そもそも、片づける以前の問題である、『部屋が散らかっている状態』について考えてみると、部屋が自然に散らかることはない。住んでいる自分が部屋を散らかしているのである。部屋が散らかっている状態というのは、物理的なこと以外に本当は問題があるのだけれど、目の前のごちゃごちゃ感でごまかされてしまっている(=問題の本質から目をそらしている)状態だと考えられる。
だから、片づけをして部屋がさっぱりきれいになると、自然と自分の気持ちや内面に向き合わざるをえなくなる。すると、目をそらしていた問題に気付かされ、いやがおうでも解決せざるをえなくなる。片づけをはじめたそのときから、人生のリセットを迫られる。そしてその結果、人生が大きく動きはじめていく。
この書で伝えられる片づけ法は、いわゆる物理的整理収納ノウハウだけではなく、片づけにおける正しいマインドを身につけ、『片づけられる人に代わるための方法』である。片づけはたんなる手法であって、それ自体が目的ではない。本当の目的は、片づけたあと、どう生きるかにあるはずである。

教育×読書

『整理整頓』とは、『不要な物は捨て、必要な物だけをすぐ取り出せる状態に並べる』ことである。著者、近藤真理恵さんは、『正しい片づけ方』とは、『一気に、短期に、完璧に、まずは「捨てる」を終わらせる』ことであると述べている。
思考の整理も、まさにこれなのではないだろうか。考えている事柄に対して、まずは、どの知識が必要なのか、不要なのかの選別、不要なものを捨てること、これが始まりになる。生徒たちが問題を解くうえで必要なのは、この力である。(算数や数学の文章問題が苦手な子は、この力が弱い。)私たちは、教育者としては生徒たちのこの力を養っていく必要がある。しかし、受験勉強においては、入試までの限られた時間で到達すべき点がどうしてもある。それに間に合わせるためには、いかにここの部分を削るかも重要になって来ると考えている。塾講師としては、生徒に情報(問題解法なども含めて)を提供する時点で、より精度の高い整理をしておかなければならないのだろう。そしてそのメソッドが、単純にその塾講師の教務力となり、評価につながるのだと思う。何を生徒に覚えさせ、何を省くか。省きすぎると穴が開く。本質をきちんととらえ、どこでバランスをとっていくのか、そういったものをきちんと考え抜くことが、私たち塾講師がしなければいけない『整理整頓』である。

私的感想

個人的にとても参考になったのが、『本の片づけ方』でした。
本棚に眠っている本は、文字通り本当に眠っているらしいです。本棚から引っ張り出して起こしてやらないと、ときめきは来ない、と。確かに、いつか読むかもと本棚の奥に置いてある本は、なかなか出番が回ってきませんね。こんまりさん的には、『いつか』読もうという『いつか』は永遠に来ないとおっしゃっています。(ときめきを感じる積読本は別だと思います。)積読そのままで、新しい本が増えていくことに、妙に納得してしまいました。
何度も読もうと思っている本も、そこから何かを得て1つでも実践できていることがあれば、お役御免なのかもしれないですね。先日読んだ小山昇さんの本でも、本は読んだそばから片っ端から破り捨てていくので、自分にとって重要なところしか残らない。もう一度読みたくなったら同じ本をもう一度買えば良いと書かれてありました。本との向き合い方として、大変参考になります。今週末は、本棚の整理ですかね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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