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斎藤孝『人生を変える「超」会話力』

わかりやすい話し方には『型』がある。

私的要約

話すことに、苦手意識を持つ人はたくさんいる。
しかし、うまく話すのに特別な才能はいらない。
会話には一定の『型』があり、それらを実践していけば、誰でも話し上手になれる。
この書は、
第1章 『わかりやすい!』と言われる話し方
第2章 『聞き上手』は話し上手
第3章 誰とでも打ち解ける雑談力
第4章 語彙力で一目置かれる人になる
第5章 ご機嫌に話すだけで人生はうまくいく
という第1章から第5章までで構成されており、著者、斉藤孝氏のおすすめする『会話力』を高めるためのエッセンスがまとめられている。
これらは、すぐに使える具体的なノウハウになっているため、この書を読めば、どんな人でも自分のペースで会話力を高めていけるようになっているのだ。

教育×読書

コミュニケーションを支えるものは、『要約力』であると私は考えている。
相手の言いたいことを『要約』し、聞き取る力、そして、自分の言いたいことを『要約』し、伝える力。これがないと、わかりやすい話し方にはならないと考えている。
この書には、第1章の一番初めにこの『要約力』の話が書かれてあったので興味を惹かれて手に取った。斎藤氏の提言される『型』には、私としては共感できることばかりだったので、『伝えること』が仕事である私たち塾講師は、ぜひともこの『型』を身につけていくべきだと感じた。
何事においても『型』は大事である。作文も、会話も、勉強も、基本的には『正しい型』を身につけないで練習を続けても、成長がないどころか、最悪、悪化してしまう。若いうちに、『正しい型』を身につけさせてやるのも私たち塾講師の仕事であろう。そのためには、私たち自身がきちんとした『型』を体系立てて理論的に説明できる必要がある。感覚的にしてしまっては、その感覚を持たない子には教えることができないからだ。『再現性の高い正しい型』が目の前にあるのだから、それを私たちが習得し、伝えていくべきだろう。
この書からは、基本の『型』を習得することの大切さを学びたい。

私的感想

有名な『声に出して読みたい日本語』の斎藤孝さんの本でした。
私は、昔から教育の中で育んでやるべき力は『要約力』だと思ってずっとやってきたので、この本には大変共感させてもらいました。
会話が苦手な人は、作文が苦手。作文が苦手な人は、要約が苦手。要約が苦手な人は、論理だてて物事をとらえることが苦手。論理だてて物事をとらえることが苦手な人は、数学が苦手。というのが、私がこれまでいろいろな人(もちろん生徒も)と接してきて感じることです。数学と国語、高校では理系科目と文系科目に分類されますが、昔から『読み』『書き』『計算(そろばん)』と言われるように、この2つの教科は理系だから、文系だからという話ではなく、誰しもがきちんと習得していかないといけない教科なのでしょう。そして、これらはお互いが複雑に絡み合っているとも感じています。私の持論は『作文は理系科目』です。これは、論理的に考えて要約する力を養い、『型』にはめていく力があれば、ある程度の作文は書けるというものです。まずは、『型』を作り、そこに『心』を入れていけば、多くの人に響く文章や言葉を紡ぐことができるのでしょう。
そして、これからの時代は、『国語力』の時代です。先日、大学入学共通テストがありましたが、『読解力』がない生徒が軒並みやられました。一般的に『読解力』と一括りにされますが、この力の中には『会話力』も入っています。試験とは、『作成者』と『解答者』の会話です。いかに、『作成者』の問うていることを素早く読み解き、『解答者』が正確な応答ができるか。これが試験です。これには、『要約力』『縮約力』をベースにした『会話力』が重要です。これからは、文系、理系という括りではなく、文理ハイブリッド型の力がないと、国公立大学に合格するのは難しいでしょう。これまでも、5教科求められていたのでそうだったんですが、これまで以上に色濃く求められていくのだろうと感じています。
私自身が、文理ハイブリッドな生き方ができるよう、専門科目だけでなく、多岐にわたる知識をインプットしながら成長していきたいと感じる素晴らしい本でした。
ありがとうございました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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