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橋下徹『交渉力 結果が変わる伝え方・考え方』

交渉は、『相手との闘い』のように思われているが、実際には『自分との闘い』だ。

私的要約

何か達成したい目標があるとき、相手を説得し、対立する意見をまとめていく交渉力の有無が、結果を左右する。『交渉』というと難しく聞こえるが、要は『交渉=話をまとめる力』である。
交渉成功のポイントを1つだけ挙げるとすれば、『自分の要望の整理』である。『自分の要望の整理』ができていれば、交渉は簡単である。交渉とは結局のところ、自分の要望を1つかなえるために、相手に1つ譲歩のカードを渡す交換行為である。つまり、こちらの要望・譲歩の数と、相手の要望・譲歩の数が釣り合えば交渉成立となる。自分の要望をいかに整理できているか。要望の優先順位付けができているか。そういった事前の準備で、交渉の9割以上は決まる。
『自分の要望の整理』は、『絶対に譲れない要望』と『譲ってもいい要望』に分けて優先順位付けをしていく必要がある。事前にこれができていないと、あれもこれも要望して、相手から『ノー』を突き付けられ、物別れに終わることになる。このように、交渉は、『相手との闘い』のように思われているが、実際には『自分との闘い』である。どれだけ自らの要望を整理できるか。絶対に獲得しなければならない目標のために、他の要望をいかに捨てる決断ができるか。相手の要望をいかに推測しながら整理できるか。批判を受けることを覚悟して、捨てるものを決めなければならないのが、『交渉』おいて一番苦しく、難しい点である。
『自分との闘い』に打ち克ち、一番重要なものをきちんと得ることこそが『交渉』である。

教育×読書

『交渉』が『自分の要望の整理』で決まるのであれば、これを達成するために重要なのは『数学力』であろう。いわゆる論理的思考力と言われるものだろうが、これは数学で順序立てて筋道を追いながら問題を解いていく力や、順を追って説明していく論証力を養うことが重要である。思考に限らず、様々なものの整理・整頓は、情報の取捨選択と段階的な物事のとらえ方によって達成できるものであると私は考えている。
中学2年生の数学に『図形の証明』という単元がある。当たり前に成り立つことを、なぜそうなるのかというのを説明していかないといけないので、それまで習ってきた算数・数学とは一線を画すテイストになっている単元となり、なかなか苦手な生徒が多い単元なのだが、この単元がいかに得意になるかということが、後々の人生の論理的思考力や、ひいては交渉力につながるのだと改めて考えさせられた。
私たち数学に関わる講師は、算数や数学を通じて、計算力はもちろんのこと、論理的思考力を培う指導をしているという姿勢を忘れてはならないと思う。

私的感想

交渉で最も大事なものが自分の要望の整理とは、返す言葉もありません。
本当にその通りだと痛感する日々です。何が大事で、どの優先順位なのかをきちんと考えていくエッセンシャルな思考だけは忘れてはいけないと改めて感じました。
この本を読んだ驚きは、それとは別で、橋下徹さんが、大阪市長になったのが42歳。今の私と同じだったことです。いや、シンプルに尊敬するとともに、私ももっとがんばらなければならないと改めて感じた一冊でした。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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