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水野敬也『夢をかなえるゾウ2 ~ガネーシャと貧乏神~』

人間は、成長する生き物なんやで。

私的要約

人間は、神様から見ると見ていて心配になるくらい無力な存在であった。ライオンのような牙があるわけでもない。鳥のように空を飛べるわけでもない。シカやサイみたいに自分を守る角も持っていない。それこそ『才能』と呼ばれるものを全く持っていない状態で生まれた。しかし、人間は『成長』した。二本足で立てるようになり、道具を作れるようになり、火や言葉を使いこなせるようになった。人間が、他の動物と決定的に違う存在になったのは、『成長』することができるという部分なのだ。

人間の赤ちゃんが、なぜ何もできない状態で生まれてくるか。

それは、どんな環境にも適応できるようになるためだ。
赤ちゃんは、最初は何もできないからこそ、どんな存在にもなれるし、どこまででも成長していくことができる。何もできないからこそ、可能性は無限大なのだ。

『夢をかなえるなんて、奇跡でも起きない限り無理だ。』
こんな風に思っているかもしれない。しかし、私たちはもう、奇跡を起こしているのだ。赤ちゃんの頃はしゃべれない、立つこともできない。誰かの助けを借りなければ生きていくことができない。しかし、こんなに小さくて何もできない状態から、私たちは立つことができるようになり、たくさん転び、立ち上がって、いろいろなことを学び、成長し、今の私たちになっているのだ。これを奇跡と呼ばずして何だろうか。そして、この『奇跡』は、『成長する』ことをあきらめない限り、何度でも起こすことができるのだ。
希望というのは、消えたり現れたりするものではなく、いつもそこで光っていて、自分さえその気になればいつでも見つけられるものなのだろう。

この書では、ガネーシャの教えを通じ、『才能』を信じる売れない芸人が
・お金とのうまい付き合い方
・自分の才能の活かし方
・他人からの評価との向き合い方
などにおいて成長していく過程が描かれている。
そして、この主人公とともにガネーシャからの課題に取り組んでいくことにより、私たち自身も上記の点において『成長』していけるようになっているのだ。

教育×読書

この書の中で、ガネーシャがこんなことを言っていた。

『自分、ワシと最初に会うたとき言うてたやろ。「僕には才能がない」て。せやったら、それを一番の強みにせえ。自分が才能がない思うんやったら、お客さんの意見聞いて、直して直して直しまくるんや。そしたら必ず天才を超えられる日が来るからな。』

この言葉には、大変感銘を受けた。
私にも、特別な才能はないと思う。そして、それがわかっているからこそ、ガネーシャの言う通り、これまで人の意見を聞いて、直して直しまくるというトライ&エラーの繰り返しをしてきたつもりだ。しかし、それが『一番の強み』にするという発想は全くなかった。
才能のない人間がとるべき行動は、『誰かに師事し、愚直なまでにその教えを素直に実行していくこと』だと私は思う。誰か、というのは誰でも良いと思う。技術を持っている人、徳の高い人、世の中には尊敬できる人はたくさんいる。自分が腹の底から『この人なら』と思える人を信じてぶつかっていけば良いのだろう。
私は教育者として、その『誰か』として選んでもらえるような生き方をしていきたい。そう強く感じる作品だった。

私的感想

2月になりました。
1月はほとんど『教育×読書』記事を書かなかった(ここではあえて書けなかったとは言いません。自分の行動は自分の責任なので。)ので、心機一転、新たなスタートとなるようにこの本を選びました。今年の年頭、『夢をかなえるゾウ1』の記事を書いた時の気持ちをもう一度思い起こし、『夢をかなえる』意気込みを忘れず、行動をしっかりととっていきたいと改めて感じています。
人間は成長していく生き物です。それは、私の生徒や、我が子を見ていてつくづく感じます。大人になると成長が鈍くなるのは、自らが『行動にブレーキをかけている』からだろうなというのを彼ら、彼女らを見ていると思います。
私も一人の人間として、『成長すること』をあきらめたらダメだな、『奇跡』を起こせる人間になりたいなと感じています。心機一転、がんばっていきます。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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