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五木寛之『人生の目的』

自分の人生の目的を見つけるのが、人生の目的である。

私的要約

人生には、決められた目的はない、と筆者は考える。
人間は人生の目的をもたなくても、生きていくことはできる。はっきりした生きる目的をもたずに、その日その日をなんとなく過ごしている人たちは少なくない。また、生き延びるだけで精一杯で、何のために生きるのか、自分の人生の目的とは何か、などと考える余裕さえない人々も世界中にたくさんいる。
しかし、目的のない人生は、さびしいだけでなく、むなしい。
人生の目的とは、『自分の人生の目的』を探すことである。つまり、人生の目的を見出すために、我々は生き続けなければならない。生き続けていてこそ、目的も明らかになるのである。人生の目的とは、おそらく生きている間には最後まで見出すことができないものなのであろう。しかし、生き続けていてこそ、『自分の人生の目的』を探し続けること、つまり、世界中の誰ともちがう自分だけの『生きる意味』を見出すことにつながるのだ。

教育×読書

『人生の目的』とは何だろうか。
理想は、人生の目的をかなえるために生きることであろう。しかし、私たちは目的ではなく、数々の目標をかなえるために生きているのかもしれない。数々の目標の先に人生の目的があるのか、逆に人生の目的から逆算して数々の目標ができているのかはわからないが、とにかく私にできることは、まずは生徒に目標達成してもらうことだろう。
生徒には、単純に幸せになってもらいたい。それをつかむための手段が勉強だと今の私は思っている。『何のために勉強しているのか』と私も子どもの頃によく思っていたものだが、私たちの行動全ての物事の目的を考えるのは、人生の目的を考えるのと同義なのかもしれない。そして、本来の勉強の意味とは、そうやって人生の目的を見つけるための手段なのかもしれない。10代の子どもたちに今すぐはわからないかもしれないが、私の教えたことがいつか彼らの人生の中でテストの時や受験以外でも役に立つことがあれば、それほどうれしいことはない。

私的感想

思った以上に哲学な本でした。
この本は、生徒の面接練習をした時に『最近読んだ本』として紹介してくれ、興味深かったので後から詳しく聞き、図書館で借りてきました。
エッセイストの阿川佐和子さんが、『この本で元気にはなれません。にもかかわらず、身体中の緊張がときほぐされ、心の乱れがいつしかおさまっている。こんなヘンな人生指南書があるだろうか』とこの本に寄せられていますが、本当にその通りだと思います。書いてある内容は、結構哲学入っていて難しいですし、元気はもらえない感じなのですが、不思議と生きないといけない、生きる目的を見つけたいと心があたたかくなる本でした。
私の生きる意味は、誰かの人生のためになることであれたら良いなと思います。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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