伊藤羊一『「わかってはいるけど動けない」人のための 自分を瞬時に動かす最強の方法 0秒で動け』
0秒で動け
私的要約
世の中はどんどん、先が見えなくなる一方である。
『こうすればこうなる』と確証を持って『次』に向かえる時代ではない。みんな悩みながら動いている。世の中、『100%確信はない』けど『動かなくてはいけない』ことの連続である。
この書には、
① 動ける人と動けない人は何が違うのか
② わかっているけど動けない時にどうしたらいいのか
③ 行動をどのように積み上げ、継続していくか
について書かれてある。
『すぐに動ける人』と『動けない人』とでは、思考、行動に明確な差がある。
何か実績を上げようと思ったら、または何かを変えたいと思ったら、まずは行動していかなければ、何も始まらない。ただ、この『行動する=動く』ことが難しいのだ。行動する時に『やる気』は大事だが、それだけで行動できるものではない。
考えなしに動いても、
① どこか腑に落ちない
② これでうまくいくかどうか心配がある
③ 反対されるかもしれない
④ こんなこと言ったらバカにされる
というような気持ちがあると、気持ちよく動けない。
行動力は、『マインド』、『スキル』、『アクション』という階層構造で成り立っている。つまり、アクションは、『行動しよう』という『マインド』と、どうやって行動し、人を巻き込むか、という道筋をつくる『スキル』の上に成り立つのだ。行動するにも『スキル』が必要なのだ。この書は、
① 結論を出せ!
② 一歩踏み出す
③ 人を動かす
④ 『軸』を持て
の4章からなっており、それらの中で具体的なマインドの育て方、スキルアップの方法が紹介されている。そして、それらを習得していくことで、0秒でアクションが起こせるようになっていくのだ。
教育×読書
この書を読んで感じるのは、『行動力』という、一見その人が持って生まれたアビリティのようなものを、スキルだと書かれてある点に、何事においても体系化していけば、再現可能なスキルに変わっていくのだということである。もちろん、アビリティとして、何も意識せずに感覚でできてしまう人もいるのだろう。そうでない人がその人に近づくためには、『スキル』として習得していくこと以外にはなかなか難しいだろう。そしてその『スキル』というのも、選ばれた人だけが再現できる『スキル』というものでは意味がない。できるだけ容易な条件で再現可能な、つまり再現性の高い『スキル』でないと意味がないのだ。
私たち塾講師が扱う解法も、再現性の高い『スキル』でなければ意味がない。特定の条件下、例えば私たちがついて教えている時(塾にいる時)にしか生徒が再現できないような解法を教えても仕方ないのだ。成績が上がるのは、生徒本人が問題を解けるようになるからであって、私たちが解けるのは当たり前なのである。そのことを改めて感じる一冊だった。
私的感想
夢をかなえるために必要なのは、行動であり、習慣である。
わかってはいるけど、なかなか動けない人も多いのではないのでしょうか。それは、『やる気』でどうにかしようとしているから。マインドの部分は、土台であって、アクションそのものではない、『やる気で行動』と思っているから動けないんだというのがよくわかる本でした。ここまではっきりと、『スキル』で行動が成り立つ、と言ってもらえると、気持ちがいいですよね。その『スキル』を身につけるべく、しっかりとインプットとアウトプットを繰り返していきたいと思いました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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