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高田晃『手帳で夢をかなえる全技術』

手帳は人生をデザインする最強ツールだ

私的要約

かつての日本は誰でもある程度の人生設計のパターンが図式化されていた。そのため、一度就職すれば『人生設計』は自動的に完了していた。しかし、現在の日本はどうか。年功序列制や終身雇用制は崩壊し、一昔前にあった『成功の図式』は幻想となった。こうした先行き不透明な現代においては、自らの意志で将来を考え、自らの手で未来を切り拓いていく力が求められる。これは、子どもだけでなく、私たち大人でもそうだ。何かを始めるのに遅すぎることはない。1冊の手帳がこれから夢を追いかける私たちの強力なパートナーになってくれる。
願望を『本当のこと』として実現するためには、頭の中で抱えているだけでなく、具体的に可視化し、実現に向けた日々の行動に結びつける必要がある。そこで登場するのが手帳だ。夢から行動プラン、日々のスケジュールにいたるまで、『1冊の手帳に集約させる』ことが本書で提唱されている手帳活用法である。そして、この手帳活用法には1つの前提がある。それは、『自分の人生は、自らの意志によって自分で作り上げる』という考え方だ。この前提を理解し、手帳で自分の『生き方』を描き出したとたんに、人は主体的な姿勢へと変わっていく。手帳は、私たちの可能性を広げ、人生を豊かにしていく強力なパートナーであり、手帳を活用することは、自分の人生とどれだけ真剣に向き合うかという『生き方』そのものといえるのだ。
しかし、『手帳が好きで、毎年新しい手帳を購入するものの、1年の最後まで使い切ったためしがない』という挫折経験をしている人は、意外と多い。そういう人には5つの共通点がある。それは、
① 手帳をスケジュール帳として捉えている。
② 字が汚いことを気にする
③ 常に持ち歩かない
④ 自分に合わない手帳を使っている
⑤ 完璧に使いこなそうとする
ということだ。これらの内の1つに該当しているだけでも、手帳は長続きしづらくなる。
そしてこれらに対する解消の視点は、
① 日々の予定スケジュールを書くことだけが、手帳の役割ではない。自分の将来や目標、やりたいこと、人生の計画、それらを踏まえた今日のやるべきこと等、手帳に書くことはたくさんある。
② 自分の手帳の中身を誰かに見せることはない。手帳はあくまでも自分のためのものであり、誰かに提出しなければならないものではない。
③ 夢や目標を実現する可能性は、手帳を開く頻度と比例すると言っても過言ではない。手帳を常に持ち歩くことは、自分の大切な夢を肌身離さず持ち歩いていることと同義である。
④ 手帳独自の『使い方のルール』に縛られてしまい、手帳に『使われている』状態になっている。『自分に手帳を合わせる』のではなく、『手帳を自分に合わせる』という視点で手帳選びを行った方が賢明である。
⑤ 手帳はあくまでもツール(手段)であって、使いこなすこと自体が目的ではない。ましてや『作品作り』をしているわけではない。手帳を使うことによって日々の生活が少しでも充実したものになっているのであれば、それでよい。他人の使い方と比べる自分を手放すことで、手帳は無理なく長続きするようになる。
ということだ。
手帳の役割とは、『ありたい姿を実現するための自己マネージメントツール』である。つまり、自分の夢をかなえるための計画や行動を、手帳という1冊のツールに集約して管理するのだ。
夢の実現のためには、毎日を惰性的に過ごすのではなく、計画にもとづいて実直に行動し、手帳を通じた日々の検証と改善が欠かせない。この書は、夢を実現し、人生を豊かにしていくためのマイ手帳の作り方の指南書、そして、『手帳の活用法』という切り口から示された、著者、高田晃氏からの『生き方の提案』なのである。

教育×読書

この書は、目的からの逆算型計画の立て方の考え方、理論が体系的にまとまっている。こと受験勉強や資格取得に向けた学習に関しては、この逆算型計画が立てられるかどうかでほぼ勝負が決まるといっても過言ではないと私は思う。計画を決めてしまえば、後はそれに沿って行動できているか、チェックと修正を繰り返すだけで良いからだ。
中学や高校の出口が高校受験、大学受験になっている今の制度である以上、子どもたちにこそ、逆算型計画での日々の行動管理を徹底してほしいと思っている。つまり、子どもたちこそ、マイ手帳を持ち歩いてほしい。そして、自分の夢や目標を肌身離さず持ち歩くことで、周りに流されることなく行動してほしい。
私は、受験生に関しては毎年、年度の頭、あるいはその前に逆算計画を一人ずつコーチングしている。これは、彼らの目標地点(志望校)、あるいは目的(将来の夢やその先に望むこと)を言語化して語らせることで、自分が夢に対して行動していることを明確化させること、言語化された彼らの目標、目的を共有することで、私自身を共に受験を乗り越えていく同志と認めてもらうためである。そして、私自身が生徒自身の考えをより深く知り、認めるためである。そんなことをする必要があるのか、と言われれば、ここから先は教育論となってしまうため、考え方は人それぞれだろう。ただ、私は『型』の先にある『心』も大切にしたい。結果を出すためにはまずは再現性の高い『型』を教え込むことが大事である。そして、その過程の中で『この先生の言うことを聞いておけば間違いない』という『信用』を得られるかどうかは過去の私自身の実績に対する生徒からの評価であろう。そして、『この先生に話を聞いてもらいたい』という『信頼』を得られるかどうかは、互いに認め合い心を通わせられているかどうかで決まるのだろう。生徒に対してきちんと『心』を持てているか。日々、自問自答しながらこれからも行動していきたいと改めて感じる1冊である。

私的感想

2021年最後の『教育×読書』の記事は、私も参加させてもらっている手帳サロン『My手帳倶楽部』主宰の高田晃さんの著書でした。
私がこのサロンに参加させてもらったのは、『子どもたちに夢を語るなら、自分自身が夢をきちんと叶えていかないと』と思ったことがきっかけでした。そして、入会した夏以降は、自分の中に欠けていたピースがはまることで、歯車が回り始めたのを実感する半年でした。
人は、環境によって作り上げられていくものです。子どもはもちろんそうですが、私たち大人だってそうだと思います。環境とは、人との出会いも含まれます。日々接している人々の考え方や生き方に触れていく中で、自分も感化されていくものなのだと思います。素晴らしいサロンの中で、夢に向かって日々活動される素晴らしい方々を目の当たりにしたことが、私の考え方や生き方を大きく変えてくれました。
そして、このサロンに出会えたことで、そこから今年は人の輪も広がりました。サロンの方々との出会い、読書サークル『書斎倶楽部』との出会い、そしてそこで出会った素晴らしいコーチやメンバーの方々との出会い、人だけでなく、たくさんの本との出会い・・・。
私が今年noteに『教育×読書』の記事を投稿し始めたのは、コーチングをしていただいた時にいただいたヒントからでした。記事を投稿しはじめ、フォロワーさんから温かいコメントをいただけるようになったことも励みとなりました。10月18日(月)からスタートし、『教育×読書』の記事は、この記事で45本。多いからどうだ、少ないからどうだ、という話ではなく、純粋に、本を読むのが楽しく、そして記事にするのが楽しいと改めて気づきました。数字に対するこだわりはなく、本の内容に対して、そして著者の方々に対してリスペクトがたくさん持てたことが、私にとってはうれしいことでした。そして自分が思っていた以上に『教育者』だったことも新たな発見でした。
今年の締めの記事は、『手帳で夢をかなえる全技術』でいこう、とnoteを始めた日から思っていました。この本に出会わなければ、もしかしたら出会えなかった方々もいたのかなと思うと、胸が熱くなりますね。素晴らしい本との出会いに感謝です。
高田晃さんの『夢をかなえる全技術』から得た、夢からの『逆算型』計画法、そして、以前記事を書いた、海野敬さんの『習慣手帳術』から得た、夢へ向かっての『積上型』計画法、これら2つが、私の手帳術の柱になっています。私の夢の1つは、『子どもたちが夢を叶えるための手帳術(計画術・ノート術)』を作ることです。そして、私が日々読書して『型』になってきた『読書法』も子どもたちに伝えていきたいと思っています。
年の瀬にそんな夢を馳せながら、2022年も日々コツコツと行動していきます。
2021年にお世話になった全ての皆さま、ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このnoteでは、『教育×読書』をテーマに様々な本の『要約』『転用』『感想』を記事にしています。スキ・コメント・フォローなどいただけますと大変励みになります。
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