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田島弓子『プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネスコミュニケーション58の具体策』

マネジャーにリーダー的資質は必須ではない。

私的要約

『数字』、『部下管理』、『板ばさみ』、『多忙で激務』。
中間管理職である、プレイングマネジャ-は、日々これらの『四重苦』の中で奮闘している。管理職に求められるのは、部下とのコミュニケーションの時間をとることである。しかし、わかってはいるけれどコミュニケーションを後回しにしている管理職も多いが、これは大きな誤解である。多くの人は、やるべき順番を逆に考えているのである。

日常業務で手一杯

コミュニケ-ションは後回し

職場の空気が停滞する

仕事が思わぬところでストップしたり、部下とのトラブルが生じたりする

ますます業務が増える

これではいつまでたっても中間管理職の『四重苦』から解放されることはなく、ひとりで疲弊していく一方である。
これを解消するために、この書では、以下の手法が提案されている。

日々のコミュニケーションを
・パターン化する
・習慣化する
・仕組み化する
・マルチタスク化する

部下やチームが自立して動く

上司や他部門にも情報が行き渡り、協力を得られる

マネジャー自身の負担が減る

チームで成果を上げられる

余裕のできたマネジャーが、より多くの仕事に着手できる

このような好循環を生み出すためには、まずは何はともあれ、管理職になったその日から『成果を出すためのビジネスコミュニケーション』を日常業務として組み込むべきである。
この書には、プレイングマネジャーとして必要不可欠な『業務思考型コミュニケーション』のインフラ作りの方法が具体的に記されている。
マネジャーが自己主張をするよりも、メンバーの様子を観察しながら個性と個性をつなぎ、部門間をこまめに行き来してまとめ上げ、調整し、道筋を作っていく。また、時には上司と部下の間に立って翻訳者のごとく両者の意見や要望を伝えていく。このように中間管理職がハブになる『ハブ型マネジャーシップ』こそが、この書の提唱するマネージメント術である。ハブ型マネジャーシップにおいては、部下は『使う』のではなく『パートナー』。プロジェクトメンバーは『ライバル』ではなく『同士』である。マネジャーには、リーダー的資質は必須ではなく、話を聞き、状況を観察することこそが必須の力なのだ。

教育×読書

この書の中に、最強のコミュニケーション・ツールがいくつか紹介されているが、その中に『観察力』というものがあった。これは、塾講師としては必須の能力だろう。
私は、仕事上はそうでもないが、普段は口数が多い方ではない。授業、懇談など、仕事スイッチが入れば延々と話し続けることができるが、どちらかというと世間話などは苦手な部類に入ると思う。だからこそ、人と話すときには、どちらかというと自分はそんなに話さず、むしろ周りの人を観察することに力を注いでいる。相手の話を聞くこと、相手の動作やしぐさを観察すること、これに関しては意識を傾けるようにしている。
それを読み取ることで、無意識ながら、こういう風に対処していこうというのを頭の中でシミュレートしているのだ。生徒を観察していると面白い。本人は気づいていないことが多いが、一人ひとりが思考パターンや学習態度に必ず癖を持っているのだ。そこが成績の伸びに影響している場合は、そこを正してやると一瞬で直ったりする。ただし、その一瞬はある種の魔法をかけているのと同じ状態なので、魔法が解けてしまうと元に戻ってしまうので、それを自分で続けられるように定着させていくことが私たちの大切な仕事である。『観察力』を磨くことは、塾講師として腕を磨いていく中で、『教務力』をつけることと同等に大事なことだと私は思う。

私的感想

プレイングマネジャーになって何年経つか忘れましたが、これまで部下をきちんと育てられていないと反省する日々です。日々の業務に追われて部下とのコミュニケーションの時間が取れていないというのは、まさにそうだなと思います。この本を読むと、確かにこれでは『四重苦』から解放されることはないなと感じることばかりでした。
まずは日々のコミュニケーションを『パターン化』し、『習慣化』し、『仕組み化』し、『マルチタスク化』することから始めてみたいと思いました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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