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田島弓子『プレイングマネジャーの戦略ノート術 膨大な仕事量とコミュニケーション不足を解消する35の方法』

ツールの使い方を変えることで、プレーヤーからマネジャーへと仕事のやり方も変わる。

私的要約

新人、ベテラン関係なく、プレイングマネジャーはとかく優秀な新人時代の仕事のやり方をしてしまいがちである。プレイングマネジャーに求められるのは、『チームで成果を上げること』。そのためにすべきことは以下の4点である。
① 今までは『一人でがんばる』ことに重きを置いていたが、これからは『周囲の力を引き出すこと』に重きを置くこと。
② 今までは『効率重視』だったが、これからは『効果重視』であること。
③ 今までは『シングルタスク』に集中していたが、これからは『マルチタスク』で進めること。
④ 今までは『計画的に仕事をする』ことを重要視していたが、これからは『突発事項にも対応する』ことを重要視すること。

とはいえ、すぐに考え方が変わるわけではない。この書では、普段から使っている『仕事道具』の使い方を変えることで、『仕事習慣』を変えることを提唱している。

『優秀なプレイングマネジャーの仕事習慣』を身につけ、チームで成果を上げるには、次の3原則を守ることが必要である。

① スケジュールに意図的に『余白』を作ること(ツール:A5手帳)
突発的な事故や部下のトラブルに迅速に対応できるよう、手帳にしてもカレンダーにしても、意図的に余白の時間をとることを意識するべきである。
→ToDoリストは1週間単位で綿密に立て、週の中で帳尻を合わせる。
② 常に『全体像』と『現在地』を把握すること(ツール:ホワイトボードor A4ノート)
プレイングマネジャーにとって大事なのは『俯瞰する力』である。先を見ながら次の一手を繰り出し、複数の仕事を同時に抜けもれなく進めるべきである。
→大きな白いスペースに書き出すことで全体像が見えてくる。書き出すことで思考が整理され、全体を見ながら『今やるべきこと』が明確になる。
③ コミュニケーションに『ひと手間』かけること(ツール:ふせんor A4用紙)
人を巻き込み、動かしていくのがプレイングマネジャーの仕事である。そのために、時間をかけるのではなく、心をこめたほんの『ひと手間』で、チームのパフォーマンスを最大化させる。
→ふせんやA4用紙などに手書きで『必ず読んでください』「ありがとう」など一言添えることで、コミュニケーションは劇的に効果的なものになる。

本書では、上記のようにプレイングマネジャーが限りある時間を効果的に活用し、チームをまとめて目標達成へと導き、終わりなき仕事をマネジメントしながら、自身の仕事もメンタルもマネジメントできる、とっておきの具体的なの方法が紹介されているのだ。

教育×読書

上記の3原則の中に出てきた、常に「全体像」と「現在地」を把握することは、学習においても重要なことである。しかし、未習の生徒たちにとって、「全体像」を把握することは容易なことではない。だからこそ、私たち塾講師は、「全体像」を生徒に教えてやり、そして「現在地」がどこなのか、これからどういうことを学んでいき、その結果どうなっていくのかを教えてやる必要がある。「全体像」を把握しなければ、ペース配分を間違うかもしれないし、遠回りをしてしまうかもしれない。限られた時間の中で戦っている生徒たちを助けられるのは、講師の全体像を俯瞰した綿密な戦略なのだ。

私的感想

昨日のプレイングマネジャーの教科書の、実践テクニック版のような本です。
この本は何年も前に買って読み、今の自分のやり方に取り入れてあることもいくつかあります。今回読み直し、以下の8つの心得は改めて肝に銘じておきたいと思います。

① 自分の予定より部下やチームの予定を書き込むべし
② ToDoリストは埋め尽くさない。突発的な対応ができるよう空き時間を設けておくこと
③ 毎日1時間、部下のための『余白』時間を作っておくべし
④ 部下に任せた仕事は、自分がやる倍の時間でスケジュールする。進捗確認、事前チェックを組み込んだ余裕のあるスケジューリングを
⑤ 上司はサポート&フォロー中心のToDoを心がけるべし。部下の繁忙期ほど上司は席にいること
⑥ 上司は常に半歩前を歩くべし。今日を見ながら明日を、今週を見ながら来週を考えたToDoを
⑦ チームミーティングをやたらと開くのはNGと心得るべし。部下も忙しい。自分のためのチームミーティングは開かないこと
⑧ 忙しいプレイングマネジャーほど、時には自分の時間も確保するべし。プレイングマネジャーにはこもる(考える)時間も必須。自分に必要な時間は先にブロックする

私はマネジャーとしては、まだまだ道半ばです。日々成長していこう、と気合いを入れなおしたいと思いました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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