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鈴木光『夢を叶えるための勉強法』

『何かを学ぶこと』は、自分の夢の叶える手段の1つです。

私的要約

勉強をこれから始めようとしている人にとって、最初から長時間勉強するのは簡単なことではない。勉強を始めるときのポイントは2つある。
① ちょっとした楽しみを見つけること
② 短期的な目標から初めて達成できたら少しずつ引き上げること
この2点だ。誰でもつまらないことより楽しいことの方が続けやすく、習慣付けしやすい。それは勉強も全く同じだ。一度でも『楽しい』と思う瞬間にめぐり合うことができれば、その後も勉強していれば『また楽しいことがあるかもしれない』という前向きな気持ちを持てるようになる。また、小さな目標であっても、何かを達成できたらうれしいし、次もまた挑戦してみたくなる。そして、その経験が積み重なると、だんだんと自分に自信がついてくる。充実した感覚を持つには、体育の跳び箱を1段ずつ高くしていくように、達成しやすい目標、つまり今の自分にとっては少し難しいけれど頑張れば達成できるかもしれない目標を設定することが大切なのだ。
天才アインシュタインでさえ、『天才とは努力する凡才のことである』という名言を残しているのに、私たちが努力もせずに何かを達成することは不可能だ、と著者の鈴木光氏は記している。勉強は、漢字や英語の小テストなど、努力が点数に反映されやすい。テストの点数を5点、10点あげることが、『頑張れば努力が報われる』という経験の積み重ねになる。その経験によって、『努力すればできる自分』を信じられるようになり、勉強という分野を超えて、自分のこれからの人生を支えてくれるようになるのだ。つまり、『何かを学ぶこと』は、知識の面以外からも自分の夢の叶える一つの手段なのである。

教育×読書

この書は、現役東大生(当時)の鈴木光さんが家庭教師になったつもりで書いたというものである。勉強に対する具体的な手法が書かれており、とても参考になる。
勉強に関する書なので、その全てを役立てていきたいと思うが、私が特に注目するのは、『インプットとアウトプットにはお互いの質を高める作用がある』という部分だ。このブログでは、これまでも何回かこのことについて触れてきた。様々な書で触れられているし、こうやって東大に合格した(結果を出した)人も言っているのだから、間違いのないことなのだろう。
この書からさらに追記するとすれば、『最初から完璧なインプットを目指すと勉強につまずきやすい』ので、『精度の低い状態から始めていいので、インプットとアウトプットは交互に行うべきだ』ということだろう。インプットが完璧になるのを待ってアウトプットをしていたら、時間がいくらあっても足りないし効率が悪い。正しい方法は、インプットしながらアウトプットする、間違えたところをさらにインプットしなおす、というトライ&エラーの繰り返しなのだ。こうやってインプットとアウトプットを交互に繰り返していくことで初めて知識はブラッシュアップされ、自分のものとなるのだ。
もちろんこれが絶対的な解だというわけではないし、この書に書かれていることが全ての人にマッチするとは思わないが、それでも、学生も教育関係者もぜひ読んでみたら良いのではないかと思う。

私的感想

半年くらい積読していた本です。
共通テストまで1週間を切った今、改めて手にしたら今が読むタイミングだと思ったので読んでみました。私の仕事柄、東大のすごさは存じ上げているつもりです。合格しているだけでも私の中ではリスペクトの対象なのですが、こうして、自らの勉強に対する想いや勉強法をこうやって人に伝えられている鈴木さんに、改めてリスペクトを感じます。
私たち塾講師としても、こうやってわかりやすく手法を伝え、生徒たちを励ましていきたいなと改めて感じる1冊でした。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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