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原晋『人を育て組織を鍛え成功を呼び込む勝利への哲学157』

勝つためには何が必要なのか。

私的要約

勝つためには何が必要なのか。
勝つためには、勝つための組織構築術がある。
勝つためには、勝つための人材育成術がある。
青山学院大学陸上競技部監督である、原晋氏はこの書の中で、このように語っている。
陸上選手としては無名のまま実業団を5年で引退し、中国地区を中心としてサラリーマンをしていた原氏がサラリーマン時代に培ったビジネスの手法が、青山学院では勝つための組織術として構築されている。
原氏の勝利の哲学は、スポーツだけでなく、『組織人』として生きるすべての立場に置き換えられるものだ。

教育×読書

この書は、
第1章 人を育てる
第2章 組織を鍛える
第3章 正しい目標~本質を見極めろ
第4章 勝利への哲学
の4章で構成されている。
さすがに一流の監督の書なので、そのどれもが教育のために役立てられるようなものばかりなのだが、その中で私が注目するのは、
① 出来ない理屈を考えさせるのではなく、出来る理屈をどう植えつけさせるか。
② 選手が目標に辿り着けない阻害要因があるときは、なぜそれが起きるのか、いつ乗り越えられるのかを伝えます。それが管理職の役割です。
③ 最初に『どうすれば最大限の成果を出すことが出来るか』を常に意識し、『こうあるべき』という方針を決めて戦略を練って積み上げていく。
の3点である。
世の中には、やらないといけないことを何もせず、ああだ、こうだ、と出来ない理由ばかりを並べる人間がいる。生徒の中にもやはりこの手のタイプがいるもので、これが目標に達成できない阻害要因になっていることも多い。自己肯定感が低いのが原因かもしれないし、単純に手を抜いていることもあるが、私たち塾講師はきちんと生徒を見てやり、どこに阻害要因があるのかをしっかりと見つけてやる必要がある。そしてそれを取り除くため、出来る理屈をどう植え付けていくか。それこそが、私たちが塾講師として心血を注がなければいけない部分だろう。そのためには、その子にとって何がベストなのか、つまり、どうすれば『最大限の成果が出るか』を常に意識してやらないといけないし、戦略を立てていかないといけない。受験とは、もちろん自分との戦いでもあるが、他人の点数との戦いでもある。私は、受験においては『戦略なき受験勉強に勝利なし』だと思っている。私たちは常に生徒一人ひとりにフォーカスした戦略を立てていかないといけない。

私的感想

教育者としても、管理職としても、とても感銘を受ける作品でした。
原監督は、私の地元の近隣都市出身の方なので、勝手に親近感を持たせていただいているのですが、指導者としてとても尊敬できる方だなと感じました。さすが一流の方です。
一流の指導者は、言葉がうまいと思います。この本は、難しい言葉は何一つ使われておらず、わかりやすい言葉ですっと懐に入ってきます。腑に落ちるとは、まさしくこういう感覚なのでしょう。もしかしたらこれは、私が原監督の教育方針に共感できるからそう思うだけかもしれませんが、それでもここまで納得できる本もなかなかないと思います。
これから、私のバイブルになっていく1冊だと感じました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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