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藤井孝一『お金を稼ぐ!勉強法 「学んだこと」を「お金に変える」技術』

これ以上、勉強してどうするのですか?

私的要約

『これ以上勉強して、どうするのか?』著者、藤井孝一氏は冒頭このように読者に問いかける。
これは、これまで自分の中に蓄えられているものの中に、アウトプットを少し工夫するだけで、新しい価値(=稼ぎ)が生まれる可能性があることを示唆している。つまり、これ以上インプットを増やすよりも、アウトプットの仕組みを考える方が大事だということだ。
私たちビジネスパーソンの勉強は、『時間』という貴重な資源を投じて行う『投資』である。『投資』である以上、何がなんでもそれを『回収』しなければならない。
世の中やお客、または取引先が望むものをいち早く察知し、そのニーズに応える商品を提供する。その対価として、報酬という形で稼ぎを手にすることが、『回収する』ということである。
自己実現だけが働く目的となり、会社の役に立つ、人の役に立つという視点が抜け落ちている人は、会社からも社会からも評価されない。人の役に立てない以上、『報酬の源泉』を生み出すことはできない。つまり、『お客から感謝されること』=『誰かの役に立つこと』以外稼ぎを得る方法はない。
このことから、『何を学べば誰かの役に立ち、感謝してもらえるか』からビジネスパーソンの勉強は発想されるべきであり、『勉強したことを活かす=アウトプットする』こと抜きにビジネスパーソンの勉強を語ることはできない。アウトプットして初めて人から感謝され、情報やお金が集まるからだ。
『やりたいこと』を勉強するのではなく、『活かせること』を勉強する。インプット重視の勉強(=勉強のための勉強)をやめ、アウトプット重視の勉強(=勉強したことを活かす)こそが私たちには重要なのだ。

教育×読書

この書では、アウトプットに重点を置きながら、『学び』を『稼ぎ』につなげていく方法が書かれてある。アウトプットをどうとらえるかではあるが、学生の勉強も、アウトプットの方が重要だと私は思う。
そもそも、インプット重視の勉強とは、学びのための勉強である。知識欲というか、学ぶことの楽しみを味わうのであれば、この第4領域と考えられる勉強もありである。しかし、少なくとも高校生までに求められる学習とは、『入試を突破する力』であり、それはつまり頭の中にインプットされてある知識を、解答用紙上にアウトプットする力をつけることである。私たち塾講師は、知識をインプットさせることに重きをおくのではなく、いかにアウトプットさせていくかに重きをおかなければならない。いわゆる演習系の授業がそれにあたるのだが、教えるだけでなく、生徒が自ら解けるところまで、つまり、『わかる』ではなく『できる』ところまで責任を持たなければならない。
それが、本質的には、生徒たちが将来『学び』を『稼ぎ』に変えていく勉強法を身につけさせていくことになるのだろう。

私的感想

『これ以上勉強してどうするのですか?』という、なかなかセンセーショナルなワードから始まった本でした。
勉強する明確な目標を持つこと、その目標は社会に貢献できるものでないとお金は生み出せないと理解すること、そして社会に貢献するためには、知識をインプットするだけでなくアウトプットする場がないといけないこと、これらを本質的に理解していないと、趣味の域を越えられない勉強になってしまうことを改めて感じました。
私もどちらかと言うと30代の頃はインプット主体の勉強でした。自己啓発という名の趣味の域を越えていなかったということですね。
今はこうやって、アウトプット主体の学びに変えていますが、『回収する』という点においては考えがまだまだ甘いのかもしれません。時間が『浪費』から『消費』になった程度ということかもしれませんね。『投資』になるよう、もう少しこだわって勉強していこうと改めて感じた一冊でした。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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