「人生初の合コン」
誰しも1度は合コンに参加した経験があるだろう。
無かったらごめんなさい。
でも合コンに行ったことがあるから偉いとか、強いとか、
面白いとか、そんなことは1ミリもないので気にしないでほしい。
今のままのあなたが素敵です。
さて、話は私が過去に行った合コンに遡る。
私は今まで10回以上は合コンに行ったことがある。
...その通り。全然驚くべき数字ではない。
そしてこの話は、合コンを成功させるためのHow toなどでは決してない。
私とその友人たちがことごとく合コンに失敗し、
砕け散り、土へ帰っていった歴史の断片である。
現在はコロナウイルスによる自粛で合コンどころではない世の中だが、
いずれまた合コンが解禁される時代が来た時に、
戦場へ赴くであろう戦士たちへ、
この歌が届くことを願っています。
~人生初の合コン~
高校3年の夏。
クラスメイトである根本の一言からすべては始まった。
根本「バイト先の女の先輩と合コンやろうって話になったんだけど、
行きたい人いる?」
一同「...!!」
それまで一度もスポットが当たらなかった根本に全員の注目が集まる。
そして全員が思った。
「お前誰だっけ?」と。
そうだ。こいつの名は根本。
毎週月曜に少年ジャンプを買ってくる係の男だ。
根本の話によると相手の女子は4人。
バイトの先輩はめっちゃ可愛いので、期待できるとのこと。
我々の妄想が一瞬で銀河1つ分くらいに広がったことは言うまでもない。
参加希望が殺到したが、
その中で彼女のいないメンバーが厳選されて選出された。
・エントリーNO.1「ハイエナの池田」
顔面は校内1、2を争うイケメンだが性格がウ〇コを具現化したような男。
人が苦しんでいる姿を見るのを何よりも好み、
自らの手は汚さないことを徹底している。
・エントリーNO.2「良い人止まりの脇口」
地球人は全員友達だと思っており、スーパーのおばちゃんとかとも無駄に仲がいい男。
女子からの評判は悪くないが、なぜか彼氏にはしたくないと皆が語る。
・エントリーNO.3「毒リンゴ病の大竹」
とにかく赤い。赤黒い。童貞だが仲間思いのいい奴。だが壊滅的に面白くない。
・エントリーNO.4「ジャンプ定期購入の根本」
本案件の企画者。
毎週欠かさずに少年ジャンプを購入し、クラスへ寄付してくれる心優しい男。
誰よりも普通そうな見た目とは裏腹に誰よりも性病にかかった回数が多いという謎の多い人物。
・エントリーNO.5「クリーチャー何某(なにがし)」
本文章の著者である。
男同士の内輪の笑いを誰よりも愛する、合コン不適合者。合コンのスタートラインにも立てていない男。
以上5名の戦士が選出され、
合コンまでの数日間、各々修行に明け暮れ、研鑽を繰り返し、己の技を磨いていった。
この時、重大なことを見落としていることを、彼らはまだ知らない。
そして、ついにその日が来た、、、。
我々の気合は言うまでもないが、全員が合コン初参加であり、ルールもなにもわかっていない。
わくわくと不安が交差する世界で、
私は3回風呂に入り、3回歯磨きをして戦場へ向かった。
当時、意味もなく3という数字が好きだった。
「これからどんな出会いがあるのだろう」
「どんなエ〇チな出来事があるのだろう」
今思えばこの時がピークに楽しかった。
その時。
根本の携帯に1通の悲報が入る。
バイト先の先輩からだ。
予定していた女子メンバーのうち、1人が急遽これなくなったという。
人数が減ったことによって、余る男子が出てしまう。
一同「なんてことだ!!!!」
ここまで苦難を共にしてきた仲間を切り捨てることなど誰ができようか!
しかし、ここで重大な事実に一同は直面することになる。
それは、誰かが不意に発した一言。
「もともと女4人に対して男5人じゃね?最初から人数あってなくね?」
全員が膝から崩れ落ちた。
高校3年生。18歳。
我々は算数の大切さを知った。
起きてしまったことはしょうがない。
アホなので全員がポジティブだった。
それよりもこの機会を逃すわけにはいかない。
最悪の場合、仲間の屍を超えていく覚悟。
我々は一致団結した。
目指すべきは個の勝利にあらず。
成功する人間がこのチームから出ること!
恨みっこなしのバトルロワイヤルの幕が今、
切って落とされようとしていたッ!!!!
会場となる店に到着。
イイ感じの個室がある居酒屋だった気がする。
そしてついにお待ちかねの女子たちと顔合わせの瞬間。
3...2...1...zero!!!!!
一同「おいおいおいおい!みんな可愛いっぽいぞ!!!!」
テンションがぶちあがる一同。
そして冷静になって1人ずつ女子メンバーを見ていく一同。
・エントリーNO.1
清楚系で高校のミスコンに選ばれたことがあるという、安達祐実似の激カワ女子「なっちゃん」
この人が根本のバイト先の先輩にして、今回の合コンの立案者である。女子大生。
・エントリーNO.2
お姉さん系でどことなくエロい雰囲気をかもしだす、ちょいビッチ系女子「もっちゃん」
女子大生。
・エントリーNO.3
バナナマンの日村にそっくりな、日村系女子「日村」
それ以上でも以下でもない。
全員が即座に理解した。
5対2の戦いになると。
誰かが犠牲にならなければいけないということを。
残酷な現実を突きつけられて立ち尽くしている我々だが、
世界は待ってくれない。
合コンは始まったのだ。
まずは、自己紹介。
ここで笑いをとれるかが生死を分かつ岐路であると、歴史の教科書で読んだ気がする。
まずは「ジャンプ定期購入の根本」
ジャンプへの愛を語るも女子は興味を示さず撃沈。
#帰れ
次に「良い人止まりの脇口」
実家がシャーマンである経験を活かし、豪快なオーバーソウルを披露するも、豪快に玉砕。#帰れ
続いて「毒リンゴ病の大竹」
終始その赤黒さを心配され、病院を紹介される。
#お前は病院行け
続いて私「クリーチャー何某(なにがし)」
真顔で苔(こけ)の栽培方法について熱弁し、のちに昇天。
#帰れ
最後に「ハイエナの池田」
高校卒業後は美容師の専門学校に通うという池田。唯一まともな自己紹介で場を締めくくった。
#なんやねん
常人なら自己紹介でここまでだだスベったら、その場にとどまることは不可能だろう。
しかし、我々は全員が厳しい修行を積んだ中国雑技団。
この程度では痛みを感じるどころか、快感ですらある。#〇ね
しかし、敵も並大抵ではなかった。
我々の最大の誤算、「日村」。
奴は手始めに池田をロックオンした。
空気を読め日村よ。
性格はウ〇コだが池田は超絶イケメンのこの中じゃ優良株として扱われている物件だぞ?
お前の手に負える相手じゃない。
池田は生まれつき慈悲の心をもっていない。
見事に首を跳ねられる日村。
だが、胴体だけでも奴は止まらなかった。
次は私、その次は脇口と手を広げていった。
奴のメンタルはオリハルコンでできているとでも言うのであろうか。
#ドラゴンクエスト
当然、私も脇口も日村を拒絶した。
行き場を失った日村が毒リンゴ病の大竹と目が合う。
その時、、
日村の動きが止まった。
...さすが大竹である。#はやく病院へ行け
ここでようやく日村の全機能が停止。
災害は過ぎ去った。
気づいた時には、戦いが終わっていた。
結果
我々の初陣は災害から身を守ることで精いっぱいだった。
惨敗である。
この文章からもわかるように、合コンというのは始まるまでが1番楽しい。
始まるまでを存分に楽しんで、もう帰ってもいいやくらい楽しい思い出を作ってから
望むようにしよう。
後日談ですが、日村はとても人間としてすばらしいイイ奴で
良き戦友として仲間の契りを交わしました。
#おもしろおかしく書いてごめんね (笑)
こんな文章を最後まで読んでくれた酔狂な方がいらっしゃったら、
心から感謝申し上げたい。
もう仲良くなりたい。
貴方の貴重なお時間を使っていただき、
ありがとうございます。
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