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【小学校受験note⑦−1】クリスチャン流願書講座・雙葉小学校編

+主の平和


今回の願書講座は

雙葉小学校

こちらの学校について解説していきます!


わたしのnoteの中で最長記事になりましたので、初・連載記事とさせていただきました。(次回は6月第4週の公開予定です。)

なぜそんなにも長文になってしまったのか。それは、雙葉小学校の願書は受験期にいちばん苦労して書いた学校だからです。一丁前に「こ…これが産みの苦しみってやつか…」と思いましたから。

出産時のような物理的な痛みはありませんけれど、ある出来事をきっかけに、幼児教室の願書添削〆切前日に一から書き直した苦い思い出もあります。

前回までの3校とは異なり、若干エッセイ調に執筆しましたので、少しでも気楽に読んでいただけたら幸せです。

※内容が他の学校の記事と一部重複する部分があります。願書を書く上で普遍的な部分ですので、他校の記事も併せてぜひ参考にしていたきたく思います。



閉ざされた名門校

雙葉小学校は、東京都千代田区六番町に所在するカトリック系ミッションスクールです。

附属幼稚園から高校までを擁し、女子一貫教育を提供する歴史ある学校です。幼稚園(2年保育)40名→小学校40名→中学校100名の募集があります、1学年の人数は小学校約80人(2クラス)、中学では180人(4クラス)となります。

横道に逸れますが、中学受験では、桜蔭中学校235名、女子学院中学校240名、豊島丘女子学園中学校240名の募集ですから、それと比較しても少人数規模の女子校であることがわかります。

ちなみに、首都圏の姉妹校である横浜雙葉は、小学校80名、中学校90名で計170名(+若干名の帰国生募集あり)、田園調布雙葉は2024年度入試から募集人数が減り、幼稚園50名、小学校50名の計100名(中高での募集なし)と、やはり少人数です。

ちなみにちなみに、雙葉小学校とよく受験の比較検討される白百合学園小学校の方はというと、幼稚園3保45名、2保15名、小学校60名、中学校60名で計180名と、こちらも少人数です。

さて、雙葉小学校の話題に戻ります。

毎年志願者数や倍率などが非公表のため、正確な数字はありませんが、40名の募集に対して毎年400〜500名の出願があるため、志願倍率は10倍前後、というのが通説です。

しかしながら、雙葉小学校の試験日が2日間に渡り、かつ都内の私立小学校の試験解禁日である11月1日が雙葉でも1日目のペーパー・巧緻性試験にあたるため、当日は他校受験との兼ね合いで欠席する受験生も多く、実質倍率は上記よりも下がります。たしかに、我が家の受験時にも、1日目2日目共に空席が目立ちました。

しかし、そういった情報だけで「あれ、意外とチャンスあるんじゃない…?」と思った我が家と同じ方々は、重要な点を見落としています。

人気校ひしめき合う11月1日に雙葉小学校の受験を選ぶご家庭は、皆本気だということを…

「雙葉小学校を目指すご家庭は、並々ならぬ努力をする」

これは、所属教室の代表や諸先生方、その他関係者の皆さんが口を揃えておっしゃることでした。

我が家は父親・母親ともに地方出身で、縁故など当然ありません。それどころか、雙葉の名前を知ったのは大学進学のために上京して数年後のことで、雙葉OGとの出会いもなく、雙葉小学校に関する情報は見事なまでにゼロでした。そして最初に手に入れた小学校の情報は

縁故なし=受けるだけ無駄

という非情なものでした。

十数年後に娘が生まれ、お受験を考えた時、雙葉小学校の名前が浮かんで情報収集を始めて、その意味がようやく理解できました。

多くの私立小学校で、学校説明会や運動会、在校生との交流会、個別相談会など、積極的に学校公開することが一般的になっている中、雙葉小学校はといえば、

7月下旬の学校説明会。

以上。

この説明会は教職員の方々のみで行われ、質疑応答の時間も在校生との接触も一切なく、学校生活の様子を窺い知れるのは説明会で流れる映像でのみ。受験生と在校生がふれあう機会も合格後まで一切なし。説明会には子どもを同伴しないよう注意書きまであります。

つまり「わたし、あの学校に通いたい!」というモチベーションを子どもに与える機会もなければ、在校生の素の姿を垣間見て学校の空気を感じることもできません。

それならば、説明会は金曜日と土曜日の2日間だから、平日金曜日の説明会に申し込めば在校生の気配みたいなものは感じられるのでは?

と、知恵を絞りましたが、なんと説明会の時期には小学校は既に夏休み中とのこと。

そりゃ、縁故なしは厳しいわけだ…

しかも、7月下旬の説明会ですら、開催するようになったのは最近のことだそうですから、むしろ現在はオープンになったと言うべきでしょう。コロナ禍の影響もあり説明会の動画配信を行うようになったり、学校のHPでは毎月生徒たちの様子を写真付きで掲載している点でも、必要最低限の情報発信は行っていると思います。

それでも、我が家は(というか私は)絶望しました。

教会には横浜雙葉や田園調布雙葉OG、関係者の知り合いはいるけれど、残念ながら四谷の雙葉の関係者はおりません。噂では、雙葉3校の中では最も自由で活発な雰囲気だとは聞くけれど、実際に自分の目で確かめていないから真偽のほどはわからずじまい。

やっぱりお呼びでないのか。

そんなわたしに更なる追い討ちをかけたのが、幼児教室主催の学校研究会で、雙葉小学校の願書を目にした時でした。


「本校をどのようなことでお知りになりましたか?」と言われても

知る機会なんてありませんよね(号泣)

この質問が「参考票」の1番初めにあるが故に、続く2〜5番目の質問を書き進めることができない、というのが受験期の我が家でした。

雙葉小学校の出願は、A4サイズの願書とB4サイズの「参考票」と呼ばれる2種類の書類の提出が求められます。A4の願書には、志願者本人の名前や写真、現住所などの情報を書き、B4サイズの参考票に志望理由などの文章を書くことになります。

最近になって願書も参考票も同時送付になりましたが、数年前までは、まずA4サイズの願書を提出した後、学校から参考票(提出は任意)が送付され、1週間以内に記入した上で学校に直接持込という流れでした。参考票提出の際は、参考票が送られてきた封筒を再利用するなどの細かい規定があったそうです。こういった学校ごとの指示が細かいところも、小学校受験の面倒な特徴的なところです。

ちなみに、雙葉小学校の参考票1〜5番目の質問と目安の文字数は以下の通りです。

1、本校をどのようなことでお知りになりましたか?(200字未満)

2、本校を志望したのはなぜですか?(約240〜250字)

3、ご家庭の教育方針をお書きください。(400字前後)

4、志願者本人について、学校が伺っておいた方がよいとお考えの点がありましたら、お書きください。(260字前後)

5、その他伺っておいた方がよいと思われる点がありましたら、なんでもお書きください。(約430〜470字)

ものすごく小さい文字で書いたことを覚えています。

2〜4については、他校の願書でも聞かれているので、雙葉向けに内容を変更すれば比較的書きやすいです。

しかしながら、1と5の質問は首を捻ってしまいます。2、3、4で既にお伝えしたいことを書き切ったと思ったら、畳み掛けるように5の質問です。まだ聞くか?!と思わず叫んでしまいそうです。

他校の願書を執筆している間も、頭の片隅では常に「本校をどのようなことでお知りになりましたか?」の質問が燻っていました。「貴校出身の芸能人の方々が、テレビで貴校のことを色々とお話なさっています」といった内容でもいいだろうけれど、けれど、けれど…も!!!

そうじゃない感がいつまで経っても漂っていて、寝ても覚めても参考票のことばかり考えている自分がいました。まるで恋! ですが、今振り返ってみると、恋に限りなく近かったと思います。

寝る前に参考票のことを考えてしまうと3時間は眠れず、睡眠不足の状態で他校の願書を書きながらも頭は参考票のことでいっぱい、気づけばお昼ご飯を食べ忘れて、10分後には幼稚園のお迎えの時間。降園後に幼児教室の授業がある日なんて、子どもたちががんばって授業を受けている後ろで思いっきり船漕ぎしそうになっていました。しっかりしろ保護者。

さて、この後、我が家は一体どのようにして参考票を書き進めていったのでしょうか?

さらに、他の合格者はどのような内容を1の質問欄に書いたのでしょうか?


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