クローゼットの開け方がわからない――クエスチョニングのカミングアウト

最近はパンロマンティック・アセクシュアルかな、となんとなく思っているが、あえて決めないという意図も含めて相変わらずクエスチョニングだと思っている。
2年ほど前から心がしんどくてカウンセリングを受けているのだが、先日カウンセラーさんに自分の性的指向の話をした。リアルで人に話すのは初めてだった。
自分は男性としか付き合ったことはないけど、女性も好きな気がしてて、でも性的接触がもともとそんなに好きじゃないから判断しづらくて、女性に性的魅力を感じるんだったらわかりやすくバイ(とかパンセクシュアルとか)って言えるんだけど、それがわかんなくて、みたいなまとまりのない話を聞いてもらった。
「初めて会ったときから、なんとなくそうかなって思ってたよ」
と言われ、後出しジャンケンずるくない? とは思いつつ(まあいきなり人のセクシュアリティに踏み込めないので先出し(?)は不可能なのだが)。
その日の夜に最近仲良くしてて今度一緒に台湾旅行に行く予定もある大学時代の後輩にも打ち明けた。たぶんLGBTQ+の知識はそんなにないだろうけど、受け入れてくれる自信はあったので。
こうやって仲の良くて真面目な話のできる人に対してはタイミングを見てカミングアウトしていこうかなと思っているけど、クエスチョニングのカミングアウトって難しいよね。
前述の後輩にカミングアウトしたときも、「クエスチョニング」やら「アセクシュアル」という単語は出さずに、自分の状態をありのまま伝えただけだし。また折を見てクエスチョニングでアセクシュアルって言うんだよとは伝えたいけど、説教っぽくなってもやだしなあ。
カウンセラーさんはさすがにクエスチョニングって単語も知ってたし、「あえて決める必要もないと思っている」というわたしの意思も汲んでくれたのだが、どうしても「わたし、女性も好きかもしれないんだよね」と話すと、相手が「相談を受けた」と思ってしまうらしい。n=1(前述の後輩)だけど。
「でも先輩、○○さん(元彼)と付き合ってませんでしたか?」と言われ、うんうんそうなんだよ、だからバイかな〜と思ってるけどそう言いきれる自信がなくて、というのも男性にも女性にもセックスしたいと思わなくて……とつらつら。めんどくさいね。毎回これやんのかな。笑

別にわたしはこうです! ってアピールしたいわけじゃないんだ。特別扱いしろとかそんなんじゃない。
けどカミングアウトしていない=ヘテロという前提で話を振らないでほしい。ほんとはわざわざ言わなくてもそんな社会であってほしいけど、まだまだそんな理想には程遠いから、言える人が声を上げてかなきゃいけない段階だと思ってる。だから難しくても伝えなきゃいけない、クエスチョニングはここにいるぞと。
それと、わたし個人の問題なのだが、嘘をつかなくても生きてはいけるのだ。好きな男性のタイプは? と聞かれたら山中崇と鈴木貴雄、と答えられる。ただし好きな女性のタイプを聞かれないだけで(ちなみに比嘉愛未と佐倉薫です(聞いてない))。
男性と付き合った経験があるので、その話もできる。ただし女性と付き合った経験はないからその話はできないだけで。
パートナーのいるゲイやレズビアンがパートナーのことを異性のように話さなければならなかったり、そういう抑圧はないのだ。そもそもそういうわかりやすい苦痛をさほど感じてこなかったからこそ、この年(アラサー)まで性的指向がよくわかってないともいえる。
でもなんかやっぱちょっとしんどいよ。嘘は言ってないけど、隠しごとをしている気分にはなる。
だからなるべくオープンにしていきたいんだけど、クエスチョニングは説明するのがめんどいなあっていう話でした。セクシュアリティは人それぞれで、簡単に済む人なんてそういないだろうけどね。

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