ジコケイハツノホン
書店のおすすめコーナーには多くの自己啓発本が並ぶ。こんなマインドセットが人生には必要、こんな生き方が大切、人生にイノベーションを起こそう、嫌われる勇気を持とうなど。
本を書いてる方々は自分が到底及ぶことのできない素晴らしい方々であることが多いし、本自体も非常に論理性が通っているかもしれない
書店のコーナーに自己啓発本が多く並ぶのはこれらの本が売れているからであり、売れているのはこの類の本が面白いとされているからだ。
他人の特別を読んで、他人の成功体験を読んで、困難を打ち破った経験を知って、自分が変わった気になっていないか?
そんな自己陶酔に浸るためだけの消費に終わってしまっていないか?
読んだ後、本当に自分の人生を変えることができたか?
もちろん、自己啓発本から学ぶこともある。成功するための工夫、思考法は大いに有用である。
しかし、自己啓発本を読むのは、そうした有用な思考法などを学んでいるためであろうか?
もしそうであればそういう専門の本を読んだ方がはるかによい。
自己啓発本には一種のドラマ性が含まれており、そうしたドラマ性が人々を惹きつけているに過ぎない。
そうであれば、本を書いてる人は特別なドラマを体験した一般ピーポーなのか?
よく、人生のモチベーションが上がるから自己啓発本をたくさん読む人がいるけれども、それは明らかに間違っていると私は考える。モチベーションは何かしたいことがあってこそのものであり、モチベーション自体が何かをするわけでないし、モチベーション自体を得るために得たモチベーションは刹那に終わる。
本棚のコーナーにいっぱい自己啓発本が並ぶのは、いささか問題であるのではないかと思った午後の6時でした。