見出し画像

いちばんすきな花

【いちばんすきな花】

▶︎連続ドラマ


【silent】を作り上げた最高のメンバーが再集結して作り上げる作品。 

決して嫌な感じがあったわけではないのだけど【silent】という成功作品を表に出しすぎて、変な期待が大きくなったがゆえにこんなもんかという気持ちを最初に持ってしまった。

セリフの言い回しの癖、セリフのラリーがどうしても【silent】の紬や湊斗などと同じすぎて、なんだかなあ、と思ってしまった。
あの感じ好きなのだけど、2作品とも似すぎていてくどく思えた。

でもやっぱり言葉のチョイスや並べ方は本当に好きだ。
だから見続けていたら4話あたりから一気にその世界観に惹き込まれた印象。
これ、個人的には【silent】超えたかもと思い始めた。

実際、本当に大好きな作品になった。


ゆくえ(多部未華子)、椿(松下洸平)、夜々(今田美桜)、紅葉(神尾楓珠)4人の考え方や生き方のいずれも共感できそうで微妙に共感できない感じがあった。
同じ経験をして、同じ感覚を持って、同じ価値観で生きている人は誰ひとりいないのだから当たり前なのだけど。
だからこそ4人ともの言っていることがわかるし、4人ともに対して考えすぎだよとも思う矛盾する自分を知ることができた。
他人から見たら考えすぎだと思うことでも本人にとっては生死を分けるほど悩むことだったりする。
そういうことに敏感でいたいし、みんな違うことをちゃんと分かっていたい。
この作品のひとつの大きなテーマである「男女の友情が成立するのか」の答えは、私は昔から「人次第」「環境次第」「時次第」だ。
この作品が出した答えと近いのかなと嬉しくなった。

こんなにたくさんの人がいて、みんなそれぞれ違う環境や立場の中違う考えを持っている。
同じ人間でも経験を積めば考え方は簡単に変わるし相手が変われば自分の立ち位置だって変わる。美鳥(田中麗奈)のように。
経験が増えることや置かれた状況によって考え方が変わることは生きていれば当然のことだし、属する場所や相手によって色んな自分がいてもどの自分が本当の自分かなんて悩む必要はなく、全部が本当の自分なんだと思う。

絶対に正しい正解はないし、逆に絶対に間違いということもないのだろう。
ただ、今の時代に沿った規律や法律が最低限の正解としてあるだけで。

椿の言った「言っちゃいけないことはたくさんあるけど思っちゃいけないことはないんです」。
これが答えだろう。
ほんとうにそうなんだよ。
心はいつでも自由なんだよ。



メインキャスト4人が豪華だったけど、みんなお顔も性格も年齢も含めタイプが違っていたのも本当に良かったなあ。
そこに仲野太賀、泉澤祐希を始めとする豪華だけど日常を演出できる素晴らしい俳優さんたちが加わって贅沢なのに浮世離れしすぎない空気感がある作品になっていたように思う。

毎話毎話、たっぷり考えさせられたし4人のあたたかさに癒された。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?