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7/22 七月、追想、盆

やる気がでない1日だった。テストで燃え尽きたのだろうが、自分でも面白いほど何もやる気にならなかった。残るレポートは3000字のものがひとつ、字数自由がひとつ。多分書き始めれば5、6時間で終わるのだろうが、書き始めることが出来なかった。そんな日もある。

昼、母の買い物に付き合った。帰りの車に乗る時、彼女から返信が来ているのに気がついた。「テストでしんでた」から、1週間以上返信ができなかったらしい。ふ〜〜ん。そして、質問形だった私のメッセージに答えたあと、「これから3日間実習なので音信不通になる」と先に謝られた。私はどこか麻痺していて、9日間返事が来なくてもなんの感情も抱かなくなっているので、「ふ〜ん。申し訳ないとは思うんだ。」としか思わなかった。送っても返信が来ないのはいつものことだし、「しんでた」らしいテスト期間に彼女が友人と電話をしていたり、架空の人物の年表や架空の人物が書いた架空の論文なんかを作っていたのも知っているのだ。暇かよ!

私は恋愛の優先順位が高い。好きな人のためなら、よほど自分の信念に反することでもない限り、なんでもできてしまうと思う。でも、彼女はそうではないし、友人や自分の趣味や面倒くささが恋愛よりもよっぽど大事らしい。そして、形式上付き合ってくれているだけで、たぶん彼女にとってこれは恋愛ですらない!不毛すぎる、はやく終わりにしたい。

最近は、別れる時になんて言ってやろうかなってことばかり考えている。思いを全部ぶつけて、少しでも彼女を揺すぶれたらいいな。どうにかして、出来るだけ大きい衝撃を与えて終わりたい!縋るのは格好悪いし、好きだった人に好かれるのはもう諦めている。だったら記憶に残りたい!

私を幸せにしてくれないやつのことなんてどうでもいい! のマインドで生きていきたいな。私は聖女じゃないから無償の愛をあげ続けられないし、ちゃんとリターンがほしいのだ。くれる人を探さなければ。私は、私を幸せにしてあげる義務がある!

夜は、なんとなく食べたかったのでハンバーグを作った。分量も適当で、工程も減らしたのになかなか美味しくて、私って自分を幸せにするのが上手いな〜と思った。


私のnoteのタイトルがいつも「𓏸𓏸、𓏸𓏸、𓏸𓏸」みたいな感じなのは、ヨルシカでいちばん好きな曲である「八月、某、月明かり」のパロディ。ヨルシカはいちばん好きなアーティストなので、これは世界で1番好きな曲ということになる。「何もいらない」から始まる、疾走感のあるメロディ。夜9時、「はじめてバイトを抜け出した」日のことを歌うsuisさんの声にのって、私はいつもバイト先の店へ向かうのだ。

「八月、某、月明かり、自転車で飛んで
東伏見の高架橋、小平、富士見通りと商店街
夜風が鼻を擽った
この胸の痛みも気の所為だ、
分かってた、分かった振りをした」

1回でいいから、私もここから逃げ出して、自転車で夜の街を飛んで、痛いほど大きい月を見たい!

この曲は作詞作曲のn-bunaさんの実際の経験を元にしているらしい。「だから僕は音楽をやめた」のアルバム、通称だぼやめには、他にも人間を感じる曲が多くて本当に良い。「幸せの価値は6万円、家賃が引かれて4000円」とか、「夜紛いの夕暮れ」とか、背後のエピソードがある歌、歌詞に心惹かれる。実体験と、アルバムを通じたストーリー、どちらにも重なる二重の物語性がある。天才だと思うし、わたしがヨルシカが好きな理由の大部分はこれ。物語性!
物語性を求めるから、ミュージカルや映画のサウンドトラックも好きなのかもしれない。曲の背景に明確な物語があるのが好き。

何かから逃げている時の景色ほど、忘れられないほど綺麗だったりする。受験期に塾を抜け出して、あてもなく乗った電車。そこから見えた空が忘れられない。
夏期講習にどうしても行く気になれずに、建物を通り過ぎて歩いた川沿い。塾のいつも通りの四角四面なビルが、その日はなぜか私を拒否している気がした。暑さに耐えきれず、重い教科書を担いで入った青色のカフェ。焦燥感と罪悪感、少しの開放感を抱えながらジンジャーエールを飲んだ。周りのお喋りと明るい音楽が台風のように私の周りを回る、その中心でひとり、世界史の教科書をぼうと眺めていた。
そんなどうでもいい記憶ばかりが強く残っている。道に迷った先だったし、写真も撮っていないので、店の名前もわからない。もう行くことはないだろうな。たまに、ふと思い出す。

「踊ろうぜ」を聴くとなぜか、1度だけ行った街の温泉のロビーが浮かぶ。「夜紛い」は、にわか雨に振られてびしょ濡れで待った踏切。この曲たちは限りなく色々な場所で聴いているはずなのに、その風景だけが浮かんでくるのはなぜなんだろう!

今日は、地元の盆踊りだった。 バイトへ行く道が自転車で埋め尽くされていたので、少しだけ遠回りをした。店は混んでいるかと思ったが、意外とそうでもなかった。夜にバイトを入れると、「何もしなかった日」が「ほぼ何もしなかったけど3000円稼いだ日」になるので罪悪感が少し減る。
明日こそレポートを書かないとおわる!頑張れ!