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鉄下駄、パワーリストは効果があるか?

人間の体は、部分的に固定したり負荷をかけるといつもと違った筋肉の動作をする性質を持っています。

今日は、久野保健室の番外編ということで、そんなお話を投稿してみます。

ちなみに、イチロー選手は、動作始めに負荷がかかるような起始点負荷のトレーニングを実施しているそうです。

起始点を固定した状態でする動きは、普通に関節を意識した動きをするよりもはるかに素早い動作になります。

ひじ、手首(起始点)を固定していると、腕を動作するとき筋肉は関節ではない部位(停止点)から収縮を開始します。

また、固定をしない場合は、筋肉はひじ、手首(起始点)から収縮を開始します。

手首とひじの固定

これを体感するには、左手で右手首を握り、右ひじをお腹に押し付けると、良いでしょう。
(孤独な久野が手首とひじを一人で固定した方法)
想像以上の力がでるので、顔を叩かないように注意が必要ですが、このときの筋肉の使い方を覚えて、関節の固定なしでも使えるので、よい教材になると思います!

ぽっちのための手首とひじの固定方法

筋肉は適度な抵抗(もう一人が、腕を両手で押さえるなど)を受けている方が、強い力で収縮します。底本の『解剖生理及体育(川瀬元九郎 著)』では、重力による負荷の影響を併記しており、もともと人体には負荷を打ち消すように筋力が補正される機能が備わっていると考えるべきだと思います。
腕を水平に動かすのと、上方に動かすのとでは、体感される負荷が同じですし。
なぜ動きが素早くなるのかは、テコの原理によるもので、経験的にどの位置から筋肉を収縮させるのが楽か体が覚えていのでしょう。

最近は鉄下駄、パワーリストなどの重りを使ったトレーニングは間接を痛めることを懸念して自粛させる傾向にあります。原理的には局部的に力を出したいときには、有効なツールになります。
でも、オーバーワークになると、筋肉が分解されて細くなるため(とくに酸欠時は筋肉が分解されやすい)、適度に脂肪を落としたいときや、局部的な運動に癖をつける目的で使用するのが望ましいと思います。

スポーツや作業をするとき、起始点をあえて固定して動作を試してみると、大幅な効率の向上があるかもしれませんよ!

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