エタリタを初めて大体一ヶ月半、このゲームかなり面白いので流行って欲しい色々感想
存在とキャラデザの良さはよく知っていたエタリタというゲームが、なんと今更正式サービスを開始したと聞いた。
そしてありえないほど初心者に優しいシステム改修が行われたとも聞いた。それが10月終わりぐらいのことで、それから毎日少しずつやっている。
結果…このゲーム、かなり面白い。
11/9 ブロンズ2 0LPスタート
プラチナ記念パピコ
このぐらいの戦績なら、以下まともなことを言ってるように聞こえるだろう。lolでは万年シルバーの、今年に至ってはシルバー昇格戦に5回失敗した男が良くもまあ頑張った。
では以下から感想を述べていく。
既に各所で語られていることではなく、個人的に特徴的だなと思ったことを4テーマほど述べていく。
バトロワなのに運要素が少ない。マップデザインが良い。
バトロワといえば、運。
初動被せ、物資、漁夫、ケアパケ、円収縮…。
これは昨今の、一般プレイヤーでも味わえる競技性という点において非常にノイズである。
しかしエタリタはバトロワなのに運を感じさせないうまい作りになっていると思う。
多くの工夫が見て取れるが、ここではマップデザインに注視して考えてみる。
まずは重要モンスターが外周にあることが良い。
熊が等間隔に外周においてあるので、プレイヤーはまず序盤それぞれ外周を回るデザインになっている(下図参考)。それぞれ時計、反時計周りかはプレイヤーによって好みだったりするし、そもそも狙いが被ることはあるので、ここで全くプレイヤーと遭遇しないというわけではない。むしろカチ合うことはよくある。
しかしオブジェクトが徹底して外周にあり、内側にはほぼ全くないので、単純にそれぞれの地形のアクセスが遠く悪いので、誰かとカチ合ってもそれ以上第三第四の敵は来づらい。つまり漁夫が少ないのだ。
円収縮、つまり危険地域のバランスも絶妙である。
通常のバトロワであれば、「複雑な形のマップ」に対して「平等に綺麗な円」という形で収縮するので、いわゆる「検問」が起き、一方的に理不尽な遭遇が起きる。
先を読んだポジショニングが重要といってしまえばそれでお終いだが、そもそも円がこっちに寄っていれば良かったとも言えてしまう。やはり運になってしまう。
しかしエタリタでは非常に長い猶予のある収縮予告と、円ではなく地域による危険地域指定となっている。よって戦略性をもったポジショニングが可能となり、各々がやりたいことをやった上で、その精度が高かった方が有利となる仕組みになっている。
ちなみに本当に特筆すべきは最終戦闘における一連の仕組みだと思っているが、奥が深すぎるのでうまくまとめられなかった。とにかく、3位が2位を決めないように物凄くうまくできていると思う。
直接的外的要因が意外と少ないので、スノーボールされるつまらなさが無い!
例えば、熊が既に狩られていたとする。この場合経験値が得られないので武器熟練度が本来より低くなる。
当たり前でよくあるゲームの流れだが、ここに他の対人オンラインゲームと違ったインタラクションの特徴がある。
"誰か"と"誰か"が相互作用しているのに、直接的な損得が発生していないのだ。一言で表すなら、このゲームは損得が非同期的である。
"誰か"が熊を既に刈っているのであれば、自分は違う別の行動を取れる。そしてその行動によって、また違う"誰か"が損をするがそれでもまだ別の行動を取れる。強弱はあるものの、ゲームデザイン的にマップに全てのプレイヤーが落ち着いて取れるリソースが用意してある。
これが一体どのようにゲーム体験に関わるか?
スノーボールされるつまらなさがないのだ。
MOBA特有のあの対面にドミネートされるこの世で最もカスな時間がない。しかし全員仲良くいつでも逆転のチャンス、というわけでもなく一度勝ったらしっかりご褒美はおいしい。この仕組みは本当にとてもよい。健全にゲームを攻略できる。
キャラ難易度が高い。
ここまで難しいキャラが多いゲームは結構珍しいのではないだろうか?
まず良い事かどうか?無限に味がするという意味では良く、初心者にやさしくなく時間がないと楽しめないという点では悪い。
個人的には悪い部分が目立つと考えている。
このゲームのキャラの操作理解難易度は、どいつもこいつもちょっとおかしい程に高い。難しすぎる。キャラによって初動も異なるのが更に辛い。
LoLと比べると、操作ではなく習熟難易度が高い傾向にある。例えばLoLの難しいキャラと言えばアカリ、イレリア、エイトロックなどテクニカルチャンプと言われるものが目立つが、エタリタの難しさというのはアイバーン、ニダリー、アフェリオスのような得体のしれない難しさがあるところ。とりあえず動けはするが、勝つために何をすればいいのか、どうやったら刺さりがちなのか理解し辛い。
これはロッジのWがいい例で、ロッジのWは当てるとCDが短くなり、相手の防御力が下がる。つまり戦闘はこれから始めなければならない。移動速度上昇として相手のスキルを避けることに使うと一気にDPSが下がる。しかしロッジは柔らかいのでおもむろにWで突っ込めるわけではない。つまり全体的な敵味方を総合した戦闘センスが必要で、ここぞという時いかにバーストを叩き込んでEで相手の重要なスキルを避けるかの判断が必要になる。
初心者にこれが分かる訳がない。そして一体ゲームというものはどれだけのプレイヤーがスキル説明を読んでいるか。
そういったオタクみたいな性能のキャラがあまりにも多い。60体中45体ぐらい居る。
民度が圧倒的に良い。トロールが自然発生しにくいゲーム。
これが意外と語られていない。
この最高の環境をもっとありがたく享受するべきである(爆)
そして、今後一層の環境構築に貢献すべきである。
(※といっても、普通に楽しくプレイしていればよい。)
昨今のオンラインゲームは、見ず知らずの人と協力することがそれはそれは当たり前にデザインされている。
私が好きなあるネットの有名人が、「社会は、人が突然加湿器に小便を入れたりしないことで、そういった信用で成り立っている。(※大分端折って引用)」といったような話題を提供したことがある。この話は一見ふざけているようで実は深く、性善説や社会契約などを今一度思い出させる。
ゲームは「勝つ」という共通認識があることが前提で成り立っているはずだが、恐ろしいことに無いやつがいる。人に迷惑をかけることに何の躊躇もないやつがいくらでもいる。
エタリタはそれらが少ない。しかし理由として考えられることは、はっきり言ってまだまだ人口が少ないことが挙げられるだろう。
ディープな分野に自ら興味を持って入り込んでいるのだから、自らふざける道理もない。
これがとても流行っているゲームであれば、ゲームに対する熱意も大してなく、無駄な時間を過ごすことに長けており、しかし自己承認欲求は一丁前なやつらがワラワラと集まってくる。エタリタは現状その対象にはわざわざならないだろう。
要するに上手い汁をすするなら今だ。
また、自然発生的なトロールプレイがしにくいゲームでもあると思う。
一人だけ間違った行動がしづらい。
例えば、LoLだと「ドラゴンが湧くタイミングで、jgが反対サイドの中立でファームする」という行為は一見トロールに見えたりする。しかし本人はマクロが浅いだけで、「一生懸命育つためにファームした」にすぎないことがよくある。
OWでも「味方が倒されたのに、リグループを待たずにむしろ仕掛けに行って負ける」という一見トロール行為はこれまたよくあるが、実は本人にとっては単純に「いけると思ったから」に過ぎないこともよくある。
これらは本人が下手くそなのが原因ではあるのだが、それは同時にゲームデザインが難しいことが原因でもある。勝利と行動が結びつき辛いのだ。
勝利と行動とはどういうことか?先程のLoLのトロール例で考える。
勝つためには、
タワーを折りたい
→敵がいると殴れない
→集団戦で敵を全員居なくすればいい
→集団戦に勝つためにはドラゴンバフが有効
→ドラゴンを相手に邪魔されず取るためには準備が必要
→準備の準備のために無駄なく歩き回るルーティングが必要…。
この一連の流れが勝利と行動である。こういったnoteで何かしらゲームのことを読むような人にとっては当たり前に考えられることに見えて、実は相当数のプレイヤーはこれを考えてプレイなどしていないはずだ(※)。
もっといえば、上手い人と下手な人の徹底的な差に「トレードをするかどうか」というプレイがある。上手い人は試合に結果的に勝つためには失っても良い駒を判断できるので、長い目でその取捨選択が行える。下手な人は目先の勝利を追い続けるので、全部を取ろうとして全部が中途半端になる。
これがトロールプレイの正体であり、決して他人を邪魔しようとしているわけではなかったりするのだ。
(※これら根拠としては、色々な友達と色々なレート帯で色々なゲームを長年してきたからぐらいになってしまうのだが…。あいつはなぜこれはできるのに、あれはできないのだろう?みたいなことを考え、探り続けてこの結論に至った。)
前置きが長くなってしまったが、エタリタはこの自然発生的トロールがやはり少ない。都度取りうるどの選択肢も致命的なミスにはなりづらく、細かな積み重ねの結果が重要となっている。大きな判断の積み重ねではない。
するとチームでなんとなくの意思共有がしやすいので、なんとなく息を合わせて勝利に向かって常々動くことができる。
もっと端的に言うと、ほぼ常にかなり近くで3人集まって動けるのがよい。
どこかと違ってガキのお守りみたいなことをしなくてよい、日本のトップ中のトッププレイヤーが「ランクで勝つためにチャットでcan winとなだめることが重要」などと冗談でも一ミリも言わせる必要のないゲームなのだ。
以上、他のゲームと違って興味深い4点であった。
現状このゲームはやりがいのある面白いゲームであるが、やはりまだまだ日本人気が少ない。じっくり盛り上がってほしい。
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