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学会員インタビュー⑩葵さん

天海春香学会Vol.3出版企画として、「学会員」のみなさんへインタビューを行うシリーズ企画。

第10回は、葵さんのインタビューをお届けします。

インタビュー:そにっぴー/スタントン
文:スタントン

———

いろんな感情を向けられている子なんだな

——よろしくお願いします。

葵:
よろしくお願いします!

——葵さんは、アイドルマスターや天海春香を好きになったきっかけってどんな感じだったのですか。

葵:
私は元々ボカロが好きで、ニコニコ動画で新着動画をいっぱい見ていた感じだったんですけど……鏡音リン・レンの声が下田麻美さんていう繋がりから(アイマスに)入ったんです。ボカロのカバー動画を見るなかで、「どうやらアイマスに(リン・レンの)元の声になった人がいるらしい」っていうところから始まって。ボカロPのPっていうのもアイマスPから来てるっていうのも知って、「アイマスってどういうコンテンツなんだろう」って思って調べまくった結果、無印の春香のTrueENDを見てしまい……そこからズルズルいった感じですね笑。

——そこからは、春香のことが気になっていった感じですね。

葵:
流れとしてはその感じです。ニコマス作品と言われる二次創作って、それを見ただけでは、そのアイドルがどういう子なのかってわからないじゃないですか、基本ダンスシンクロ動画が多いので。で、天海春香って動画の振れ幅が凄いと思ったんです。すごく悲しい動画があれば、普通の可愛い動画もある。黒春香とか哀春香とかも。すごくいっぱいあって、「なんでこの子がこんなにいろんな見られ方をしているんだろう」「いろんな感情を向けられている子なんだな」って思ったのが、もう少し深く知りたいと思ったきっかけです。

聴いていて笑顔になっちゃう感じ

——春香ちゃんのどこがいいと思いますか。

葵:
え?すごい難しい話しますね笑。そうだなあ、最初に春香が可愛いと思ったのはしゃべり方なんです。最初にニコニコ動画で見たのが、最強コミュ(※秋の仕事1)のもので……拗ねるんです。拗ねたような目線をプロデューサーに向けてくるんですけど、最後はにっこり笑ってくれるんです。感情表現の全部が可愛いというか、何しても可愛いんじゃないかっていうところに惹かれましたね。

——素直な子なので、素直に感情を出してくれるのも良いですよね。春香ちゃんでいうと、好きな曲はありますか。

葵:
え?このスペースってこんなに難しい話をする場所だったんですか?笑。あ、でも『ステキハピネス』を初めて聞いたときには、あまりの可愛さに本当にびっくりして……1st VISIONと2nd VISIONのどっちも可愛いんですけど、2ndのほうでは特に『ステキハピネス』の言葉の跳ね上げ方とか、「楽しい~!」って感じに歌うところとか、聴いていて笑顔になっちゃう感じです。シンプルに、可愛いな!って思います。

——「私、歌うことが楽しいです!」みたいな歌い方してますものね。葵さんって、春香さん以外に好きなアイドルはいますか。

葵:
うーん……いっぱい居ます!いっぱい居るからちょっと余裕がなくって「(好きなアイドルは)春香」って言っていることが多いんですけど、同じ765でいえば所恵美ちゃんが好きです。恵美はグリー版のころから見ています。

——恵美に対する「好き」について、春香に対する「好き」と同じところや違うところはありますか。

葵:
同じところは、しゃべり方ですね!めちゃくちゃ可愛いです笑。いま考えてみると、春香と恵美って同じところがあるかもしれません。『アフタースクールパーリータイム』が本当にかわいくって、そこから恵美を好きになった気がします。

——歌い方が「楽しい」って感じですし、先ほどの『ステキハピネス』もそうですが、歌に気持ちが入っているのが共通していますね。いま、葵さんはアイマス以外でハマっているものはありますか。

葵:
この「布教コーナー」で何を言うべきか本当に迷ったんですけど……笑。マイブームなら、作業通話で皆さんとお話することです。私、春香について誰かと語ることを全然してこなかったなあっていうのに、通話をするようになってから気づいたんですね。ニコニコ動画を見ながら「みんな春香に対していろんな気持ちを持ってるんだな」って感じたみたいに、ツイッターのスペースでも同じことを感じています。皆さん、本当にキャラが濃くて笑。またお話してください。

——葵さんには衣装本(※Costumes! 天海春香16歳 厳選衣装図解&コラム合同本)の作画でご尽力をいただきました。無印の春香さんの作画を色々されてみて、どのような感想をお持ちになりましたか。

葵:
16歳の春香の衣装本ということで、「16歳」の部分はかなり意識して作画をしたんですけど……16歳の春香って可愛いなって思いました笑

——ふふふ笑。

葵:
無印のモデリングを意識して描いてみたんですけど、バランスが難しいですね……無印特有の、春香の目の感じ。ちょっとたれ目で、個人的には憂いがある目だなと思っているんです。ふと微笑んだときに、明るさだけではない感じを受けるというか……。すごく描くのが難しかったです。

いつも春香って私と一緒にいてくれるなって思うんです

——Vol.3での参加作品についてお伺いいたします。今回、どういったコンセプトでこの春香さんを描こうと思われたのでしょうか。

葵:
今回私が春香学会に初めて参加させていただくということもあって、自分なりの春香の解釈をお出ししようかなって思ったんですね。私にとって、天海春香はどういう存在なんだろうっていうところに立ち返って、こういうイラストを描こうと思ったんです。

——イラストを言語化することって必ずしもイコールにならないとは思いますが、この絵に込められた葵さんにとっての春香って、どういった人なんでしょうか。

葵:
色々考えていたんですけど、答えるのが難しいですね……。私、初めてちゃんとアイマスのゲームをやったのが、アイマス2だったんです。

葵:
そこから、いつも春香って私と一緒にいてくれるなって思うんです。アイマスって私にとって、いままでいた世界とは全然違う世界なんですね。春香のことが急に気になって、ドキドキしたり、悩んだりしながらアイマスに手を出したんです。初めてのことばっかりで楽しくて……初めてのことに手を出すのって、たぶん怖いし緊張すると思うんですけど、春香は、そういうときいつも一緒にいてくれて、手をつないでくれるんじゃないかな。私だけでなく、ほかの人にとってもたぶんそうなんじゃないかなって思って、これを描いたと思います。

——イラストで描かれた春香って、アイドルとしてこれから動き始めるところだと思うんですけど、それは画面の前のプロデューサーさんも同じ、という風に考えると、春香にとってのプロデューサーさんがそうであるように、プロデューサーにとっても春香さんは一緒に居てくれて安心できる存在なんですよね。いい関係性だなと思いました。

葵:
はい、いい関係性ですね。

——その関係性を表現した結果が、春香が手を差し伸べている表現につながったのでしょうか。

葵:
手を差し出してほしいなと思ったのは、私にとってアイマスが、画面のなかのものだけではないなと思ったからなんです。わかりやすいところでいうと、ライブがそうですよね。あそこに立っているのはアイドル本人ではないけど、アイドルが表現していることに限りなく近いものをみせてくれる場所で。私みたいな、アイマスが好きな人とアイマスの世界とを繋げてくれるような、そういう場所でもあるし。ライブに限らず、コラボだったり、ソーシャルゲームだったりって日常に結構食い込んでくるじゃないですか。こっちに干渉してほしいなって思って、春香の手をこちら側に出したんです。

——葵さんは、MRステージには行かれましたか。

葵:
行きましたよ~!

——まさにMRステージが「現実に侵食してくる春香」というものの近しい答えの一つなのかなと思いました。

葵:
MRについてはそにっぴーさんともいろいろお話をさせていただいたんですけど……笑。

おてて、おくち、モノクロ

——MRについては、感情が重い人ほどかけている思いが強くなる傾向があると思います笑。そういった意味でも、葵さんのイラストは春香がこちらの世界に重なってくるという感覚があって良いなと思いました。葵さんから、「イラストのここを見てほしい」という点はありますか。

葵:
実はですね、ここにいらっしゃるスタントンさんが「天海春香さんおてて挙げがちお口開けがち」という記事を公開されていたと思うんですけど、それに逆らってみました笑。

——おお~。では、おてて挙げてない、お口開けてないというのは、わざとなんですね。

葵:
多少わざと、ですね笑。ゲームの中の春香っていう感じでは描いているんですけど、ゲームのなかだけでの春香ではないという風に描いてもいるので、「よろしくお願いします」とは言っているんですけど口は開いていないんです。ちょっと(キービジュアルなどとは)ずらしている感じですね。

——葵さんって、いままでモノクロのイラストを描かれたことはありますか。

葵:
いや、ないんですよ!

——モノクロのイラストを描かれてみて、感じたことはありますか。

葵:
モノクロを描くのが初めてだったので、どうすれば魅力的に見えるのかをYouTubeを見て勉強しましたね……。コントラストの付け方とか、のっぺりしないように黒のパターンを絞るとか、春香という存在がそこにいるように描きたかったので、色々気は使いました。髪に薄くグラデーションはかけているんですけど、(黒のパターンを絞っていないのは)そこぐらいですかね?あとは、服の影はパキっと描いているけど、肌にかかっている影は柔らかく描いたりとか……カラーとは違った気の使い方をしました。

——ほかに、伝えたいことはございますか。

葵:
ここ(ツイッターのスペース)に来て下さっている方には私が言うまでもないと思うんですけど……アイマス2やりましょう!

——アイマス2のどこがおすすめですか。

葵:
アイマス2って、春香の感情表現が無印のときとは違うものがあるといいますか、春香がJupiterに勝ちたいってすごく必死になるんですよね。悲壮感が漂ってるくらい……ムキになっている春香っていうのが貴重ですし、アイマス2はアイマスシリーズのなかでも重めな作品なので、アイマス2をプレイして一緒に戦おうよ!って思います。

他作品について

——Vol.3の他の方の作品で、気になった作品や面白かった作品はございますか。

葵:
読み終わって思ったんですけど、SCENE6の畳み掛けがすごいですね。これ、こがね(仮)さんから、シーバスさんかどさんArisakaPさんへの流れがすごく好きです。特に好きなのが、こがね(仮)さんって今まさに春香と向き合い始めたところじゃないですか。その後、シーバスさんは春香と向き合ってきて、自分自身はどうだったかなと振り返りながら、未来はどうなるんだろうと想いを馳せているんです。このお二人が並んでいるのがいいなと思いました。

こがね(仮)さんとシーバスさんが春香との思い出を語った後に、かどさん、ArisakaPさんが客観的、冷静に春香について考えた文章を書かれています。どちらも春香に対してすごく真剣で。細かい思想の違いはあれど、春香をちゃんと見ていてくれているんだな、頼れるなあという感じで見ていました。

——他にはございますか。

葵:
色々言及したいです!イラストだと、まずみりんさん。みりんさんの傘をさしている春香さんって、雨に触ろうとしているじゃないですか。「春香は何を考えているんだろう」って思って、見つめてしまいましたね。濡れたいのかな?とか。横顔を見て、色々想像してしまいます。あとは、とりむねにくさん。

葵:
私、学会のインタビューを拝聴したんですが、とりむねにくさんが「この本が出るのが冬だから、温かい絵がいいな」みたいなことを仰っていて、「それプロデューサーっぽい!私、そこまで考えられなかった」と思いました。暖かそうだし、マフラーしてるし。これ、ココア持ってるんですよね?表情も暖かそうでいいですよね。あとは……文章に戻るんですけど、フブキPさんの「桃と蝶々」はヤバいですよね笑。

葵:
何というか、同じ人を好きだった同士といえる関係って風に書かれていると思ったんですけど、「美也ちゃんの恋心は、告白することによって変化するから春香とは別の恋心になる」っていう言葉にできないような感情を書かれていて、すごいなって思いました。

——フブキさんは、文章から気持ちですとか表現のみずみずしさを伝えられているので、皆さん「すごい」と仰ってます。

葵:
妙な緊張感があるのもすごいですよね。「おや?」みたいな。他ですと、スタントンさんの文章。解説を書かれているんですけど、楽曲が出たばかりのときに書かれていて「フットワーク軽っ!」って思って笑。このスピード感は私にないので尊敬しますね。

——(そにっぴー)ですって、スタントンさん。

——(スタントン)✌

——(そにっぴー)ピースが飛んできました。かなり早い段階で上がってきたので「やるな」と思いました。

葵:
あと、ななみんさんの表紙がすごいです!ななみんさんの絵をみていつも思うんですけど、後ろ髪の描き方とか……春香に対しての執念を感じますね。すっごくいいと思います。アイマスをずっとやっていると、どうしても気持ちが安定してきてしまう部分もあると思うんです。でも、ななみんさんは絵にここまでの執念を出せるので……「尖ってるなあ~!」って思います。


歌い続けてくれたら

——もし春香学会Vol.4が発表されたら、「こういうものを描いてみたい」という希望はありますか。

葵:
今回は自由テーマで作品を描かせていただいたので、次回もしあれば特集テーマで描いてみたいなと思います。

——10年後、天海春香はどうなっていると思いますか。

葵:
えっ……その質問は全く想定していませんでした……でもなあ、いま17歳だからなあ。10年後は27歳。たぶん、歌ってるんじゃないでしょうか。私の願望でもあると思うんですけど、歌い続けたいって楽しそうに言ってくれているから、どんな形でも歌い続けてくれたらいいなって思います。

——今回のインタビューで、言い忘れたことは何かありますか。

葵:
今回に限らず、春香学会というものについての話になるんですが、こういう春香について色んな人が色んなことを言える場所があるのはいいことだと思います。ツイッターで喋り続けるだけだと、どうしても考えすぎて落ち込んじゃったり、他の人と対立したときに取り返しつかなくなっちゃったりすると思うんです。でも、作品として出せる場所があるのは健全だなと思うんです。春香学会への参加はすごく悩んだんですが、参加してよかったです。

初めてをくれる人

——あなたにとって、天海春香とは。

葵:
綺麗に言えないかもしれないんですけど……「初めてをくれる人」かな。先ほどもお話をしたんですけど、アイマスって私にとって未知の世界で、いわゆるギャルゲーのようなものに手を出したことがなかったですし、ここまで一人のキャラクターのことをずっと考える機会もなかったんですよね。
ゲームをやっていくうちに……悩んだんです。声優さんのライブも未知すぎて「なにそれ?」とか思ったし、女の子のキャラクターに対してこんなに重い感情を抱いちゃっていいのかっていう困惑もあったし、「アイマスが好き」って友達に言えなかったこともあったんですけど、ライブに行って、仲良くさせていただいているフォロワーさんに会って、「もっと春香ちゃんのことを好きって言った方がいいよ」って言われてその言葉に励まされたりして……。
春香を好きになったからそのフォロワーさんにも会えたし、声優さんのライブでびっくりするくらい泣いちゃったこともあったし、春香を好きになったことで出会えた人や行けた場所があって、春香は、いろんな初めての体験をさせてくれた存在ですね。

———
春香学会初参加の葵さんにたくさんお話しいただけたインタビューでした。

天海春香学会Vol.3は現在BOOTHにて頒布中です。


また、天海春香学会は5月22日に開催される765プロオンリー同人誌即売会・ISF09に参加予定です!

ぜひお越しくださいませ!


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