ブンデスリーガ2021/2022 第7節 マインツ×ウニオン・ベルリン

 1. マインツのスタメン

ベンチ:ダーメン、ネメトゥ、ニアカテ、アーロン、タウアー、シュタッハ、イ、シュテーガー、ボエティウス
欠場:ハック(陽性反応)、シャライ(半月板手術)

2. 試合経過

2-1. 前半

・15分
約40mのフリーキックをクルーゼに直接狙われるも枠の外。

・17分
アウォニィとの競り合いでジュステが負傷。スリップしたときに着いた左手ではなく、競り合いの瞬間にアウォニィと接触した右肩のようだ。

・20分
ジュステに替わってネメトゥが投入。これがブンデスデビューに。

・23分
右サイドからクルーゼにグラウンダーのクロスを入れられ、アウォニィが中で待っていたが、左足にはヒットせず。助かった。

・26分
ネメトゥ、ヴィドマー、ブルカルト、イングヴァルトセン、バレイロ、コーアと少ないタッチで繋ぎ、コーアが持ち上がりながら右に開いたオニジヴォにパス。クロスはイングヴァルトセンの頭を越えるも、ファーサイドのルコキが左足ダイレクトで合わせる!が大きく右へ逸れる。

・33分
ネメトゥがクルーゼに裏を取られ、エリア内に入られるも、横パスはベルがカット。

・36分
ルコキの楔をイングヴァルトセンがダイレクトで落とし、それをコーアがダイレクトで裏を狙う。ボールは流れるも、オニジヴォがクリアボールを体に当て、ブルカルトが拾い粘るとバレイロにシュートチャンス。右足でボールを浮かし、左足ボレーで狙うも大きく右へ外れる。

・39分
ルコキのパスがカットされるも、プレメルのパスをネメトゥがタックルで奪う。コーアが拾い、ブルカルトが左に開いたオニジヴォに展開、右足アウトでダイレクトで中央に落とすと、イングヴァルトセンが落ち着いて左隅に流し込みマインツ先制!! 1-0

・42分
オニジヴォが右サイドで粘り突破から低く速いクロスを入れ、イングヴァルトセンがニアに飛び込むも僅かに合わず。

・前半終了 1-0

2−2.後半

・52分
ヴィドマーが入れ替わられ、ベルとアウォニィがスピード勝負になり抜かれかけるも、タッチのミスをベルが見逃さず、難を逃れる。

・59分
バイタルエリアで持ったクルーゼにパスを通され、アウォニィにシュートチャンスを与える、ベルが付いていたがシュートを撃たれる。ボール一個分右に逸れる。

・61分
スローインの流れから中央のクルーゼにシュートを撃たれるも、またもや右へ。

・63分
コーアがパスカット、バレイロがブルカルトへパス、前を向いたブルカルトから右のオニジヴォへ。仕掛けてクロスを上げるもブルカルトの頭上を越える。

・66分
コーアのインターセプトからショートカウンター。オニジヴォが中央から強引に突破を試みるとクノッヘに倒されフリーキックを獲得。イングヴァルトセンが狙うも、ボールが落ちきらず、枠の上。

・67分
イングヴァルトセン、ブルカルトに替えて、ボエティウス、シュタッハを投入。
二人はシャドウのようなポジショニングに。

・69分
ルコキからボールを受けたバレイロが奪われカウンターに。クルーゼのスルーパスでアウォニィに抜け出され、ヴィドマーの猛追も腕であしらわれ、シュートを決められる。1-1

・73分
ロングボールをベルがヘッドも、そのボールが競っていたクルーゼに当たり、ゴール方向へ。アウォニィに拾われ、ネメトゥが追いつけず、そのままシュートがネットを揺らされる。1-2

・76分
バレイロ、ブロジンスキに替えて、シュテーガー、ニアカテを投入。
5バックの並びは、右からヴィドマー、ネメトゥ、ベル、ニアカテ、ルコキ。
コーアとシュタッハのダブルボランチ、2トップ下のような形でボエティウスとシュテーガーが並ぶ形になった。

・79分
シュテーガーのクロスにオニジヴォがヘッドも、キャッチされる。

・79分
ボエティウスが左から右足でクロスを入れ、オニジヴォがヘッドも、僅かに右上。

・85分
シュテーガーがアーリークロス、オニジヴォが巧みな左足トラップから反転し、ボレーを狙うもキャッチされる。

・88分
ベルとネメトゥの間でベーレンスにボールを受けられるも、ネメトゥがタックルでボールを奪う。

・89分
ニアカテの右足クロスにヴィドマーが飛び込むも僅かに合わず。

・90+2
ベーレンスが胸で落としたところにコーアが足を伸ばすと、足裏で胸を蹴るような格好になってしまい、2枚目のイエローカードで退場。

・試合終了 1-2
ホームで逆転負け。

3. 感想

マインツの攻撃は悪くなかったのでは。何度かショートカウンターを仕掛けることもできたし、終盤の猛攻も見応えがあった。
3トップは柔軟なポジショニングをとり、イングヴァルトセンが中央でトップ下のような役割を担い、オニジヴォとブルカルトが裏を狙う場面が、特に脅威となった形だった。

前半の得点シーンのシーンは完璧なショートカウンターだった。ネメトゥがいい出足のパスカット、コーアの素早いパス、ブルカルトの視野の広さと強いパス、オニジヴォの抜け出しと精度の高いワンタッチパス、キーパーの逆を突きポストの内側に当てるイングヴァルトセンのシュートの上手さ、全てが噛み合ったシーンだった。

普段はトップ下を置くシステムであるが、今日は中盤を削ったため、コーアとバレイロの二人で中盤の広大なスペースをカバーしなければならなかった。その点を心配していたが、むしろ「3トップによるディフェンスラインへのプレス」というメリットの方が上回っていたように思える。また、前述の通りイングヴァルトセンがトップ下をこなす場面もあったため、そこまでデメリットは目立たなかった。
とはいえ、ベンチにフォワードがおらず、フォーメーションの変更は必至であった。また、59分と61分のピンチからも分かるように、前線とディフェンスラインが完全に分断され、バイタルエリアで自由にさせすぎていたため、中盤を増やす意図は理解できる。なので、67分のボエティウスとシュタッハの投入そのものについては頷ける。
しかしながら、シュタッハの起用法がハマらなかったのは残念だった。これまで見せてきたような攻め上がりや右サイドからのクロスがほとんど見られず、シャドウのようなポジションでは、ディフェンスラインまでプレスをかけに行くのか、中盤をケアするのか、中途半端だったように思える。76分にボランチに落としたことで修正された。

失点シーンについて。
まず1失点目は以下のような形であった。
*赤丸がマインツの選手、黒丸がウニオンの選手、数字は背番号
*青矢印が選手の動き、緑矢印がボールの動き

そもそも奪われ方が良くなかった。ボエティウス、バレイロ、ルコキが一気に置き去りにされてしまった。
ベルがマークしていたクルーゼは守備に戻っていたため、一時的にフリーになっていた。パスが出た瞬間に、コーアは17番のベーレンスのケアのために左にずれ、シュタッハが高い位置をとっていたため、クルーゼのケアが遅れ、フリーで前を向かせてしまい、スルーパスを出させてしまった。コーアの背中側にクルーゼがいたため、シュタッハかブロジンスキが早めに対応すべきだった。ブロジンスキは、クルーゼがボールを受けた瞬間にも戻らず、シュタッハが振り向いて追い始めてからようやく寄せに行っていた。あまりに遅すぎた。
守備のポジションでいえば、クルーゼがいた位置はバレイロの担当であるが、攻撃で飛び出すタイプなので、誰かがケアしていなければいけなかった。

2失点目については、ベルのクリアがクルーゼに当たり、アウォニィに前を向かれた時点で勝負ありだった。

たらればを言っても意味が無いのは重々承知しているが、スピードとパワーを兼ね備えるジュステの負傷退場、ニアカテが負傷明けでスタメンで出られなかったことが響いた試合だった。
前半は、ウニオンのロングボールの出処にプレスがかかっていたし、アウォニィに前を向かせないような守備が出来ていたが、失点シーンでは上手くいかなかった。他にも、ヴィドマーやベルが入れ替わられてピンチになる場面もあり、失点は時間の問題だった。

4. 採点

・ツェントナー 4.0
どちらもアウォニィに楽な形でシュートを撃たれたため、仕方ない。2失点目は触れたものの弾き出せず。

・ブロジンスキ 5.0
1失点目の怠慢は反省してほしい。攻撃でも怖さを見せられず。スローインはチャンスに繋がった。

・ヴィドマー 4.0
前節に引き続き、慣れない3CBの右で出場。1失点目はアウォニィに追い付くも腕であしらわれてしまった。

・ベル 4.0
跳ね返す場面の方が多かったが、結果的には2失点。左右のCBとの間をアウォニィに自由に使われてしまった。2失点目の場面でクリアがピンチに繋がってしまったのは不幸だった。

・ジュステ -
出場時間が短いため採点不可。お大事に。負傷箇所が肩のように見えたので心配。この試合でブンデス史上最速の36.63km/hのスプリント速度を記録。

・ルコキ 4.5
カットインしてのクサビでチャンスになる場面もあるが、パスミスが気になる。

・バレイロ 4.0
広範囲をカバー。36分にはシュートチャンス。

・コーア 4.0
今日もインターセプトとスピーディな展開でチャンスを作った。退場したが、アディショナルタイムなのであまりチームには影響しなかった。次節出停なのが残念。

・ブルカルト 3.0
競り合いの勝率やポストプレイの丁寧さがめざましい。持ち前の運ぶドリブルもよい。視野が広くなってきており、ゴールを演出。

・オニジヴォ 2.5
今季初のフル出場。アシストも記録。パワフルでスピーディな仕掛けは健在。シュートチャンスはどれも難しい体勢だったが、どれかひとつでも決めたかった。

・イングヴァルトセン 2.5
古巣対決で今季2点目。シュートの上手さが際立つ。66分のフリーキック惜しかった。

・ネメトゥ 4.0
ブンデスデビューおめでとう。2失点目は悔やまれるが、先制点に繋がるタックルや、ビルドアップなどは素晴らしかった。スタメンで見てみたい。スクランブルでの出場であり、右CBの印象があったが、左での時間がほとんどだった。

・ボエティウス 4.0
シュテーガーと比べると目立つシーンは少なかったが、パスのタイミング、精度は光った。

・シュタッハ 4.5
ほとんど目立てなかった。攻撃でもっと見せ場を作りたかったが、

・シュテーガー 4.0
テクニックは魅せた。オニジヴォを目掛けたクロスは効果的だった。

・ニアカテ 4.0
報じられていた予定よりも2週間以上早く復帰。できれば温存したかったのでは。代表ウィークは無理せず休んでほしい。


5. 次節に向けて

次節はアウェイでドルトムント戦。代表ウィークで悪い流れを切り、万全なコンディションで難敵に備えたい。

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