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「心の痛み・傷」は世代間連鎖する

「機能不全家族」について


今回も前回の続きを綴っていこうと思います。
私はいわゆる「機能不全家族」といわれる家庭で育ってきました。
とはいえ一見端から見れば、特に大きな問題もなさそうな
普通の家庭に映っていたと思います。

機能不全家族とは、本人が意識的に気づいている、いないに関わらず、
何らかのストレスが日常的に存在している家族状態で、
主に親やそのような立ち位置にいる大人から子どもへの様々な関わり方
(虐待やネグレクト等)が家庭内にあることが要因となり、
子育てや生活などの家族としての機能がうまくいっていない状態を意味します。
また、機能不全家族の程度は家庭により異なります。
機能不全家族状態にある、親から子へ何が受け継がれていくのか。
もちろん機能不全家族であっても、
そこに流れている健全な愛情も親から子へ受け継がれているでしょう。
けれどもそうでない場合、不健全な愛情、愛情という名の痛み、傷。

それらも愛だと誤解され、そうとは知らずに次の世代へ手渡している可能性があります。

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「愛という名の痛みや傷」はどのようにして受け継がれていくのでしょうか??


普段の何気ないコミュニケーション、躾や教育等、
子どもと対応している時の様々な場面の中で、様々な形で、
親や大人達の無意識なところで、それはなされていると思うのです。

子どもと対応している大人は、無意識であるが故に、
自分が行っていることが、目の前の子どもにどんな影響を与えているのかを残念ながら気が付いていません。

むしろそれは、子どもの為に必要であるからなのだと、
なんのためらいもなく、日常的に行われている可能性が高いのです。

なぜ大人は自分の行いで、子どもが傷ついていることに気が付かないのか?


それは、親自身も同じように、
上の世代からの傷を無意識に受けとってきているからなのですね。

例えそれが異常な状態だとしても、
その家族にとっては普通の日常のことだとしたら、
大人も子どもも、その異常さには気づきにくいでしょう。

何故なら手渡している大人も、受け取っている子どもも無意識な為、
それが自分にとって、NO!であること、痛みであることに気が付いていない。
その為に我が子が自分の行いによって、傷ついていることがわからない。
場合によっては、自分の行いを正当化することもあるでしょう。

我が子の痛みに寄り添い、適切に保護することができない。

なぜなら、その大人(親自身)もまた、
幼少期の自分の痛みや傷を大人に気づいてもらえず、放置され続け、
本人(親自身)も未だに自分が傷ついたままの状態であることに、
気が付いていないからなんですね。

それは、自分の痛みに寄り添われ、適切に保護された経験が少ない為に、
そのような状態のわが子への関わり方がわからず、
親と同じようなやり方で、結果、子どもの傷をさらにえぐってしまう、
ということにも繋がっていきかねないでしょう。

親自身も、体は大人になったけれど、
心は傷ついた子どものままなのですね。
そして、そんな中で必死にがんばってきたのですね。

世代間連鎖は
「無意識に行われている。
だから起こっている事実、真実に気が付きにくい」
ということが、一つポイントだなと思うのです。

その為に、「心の痛みや傷」は誰にも気づかれることなく、世代間を渡り続けていくのですね。

受け取った痛みや傷は、どんな風に人生に影響を与えるのだろう??


私の感覚や経験でいうと、漠然とした生きにくさ。違和感。不安感。孤独や焦り・・。
体の不調、疲れやすさ、イライラ・・。モヤモヤ・・。
社会への不調和。

なんだかわからないんだけど、不安なんだよ。
というような感覚をいつもまとっているような感じでした。

何かおかしいな!?なんなんだろう!?

思い当たることもあるのだけど、はっきりしない。釈然としない。

私が無意識に受け取ってきた心の傷や痛みは、
「トラウマ」とも呼ばれるものであり、
気づけば私の現実に、何だかはっきりしない霧のような形でベールを覆って、本来の自分との間に違和感や隔たりを与え続けていたのだと思います。

また、個々のトラウマがある程度集合した時に、
「不登校」や「引きこもり」などの今日の社会問題の核にもなっているように感じています。

インナーチャイルドワークというセラピーに出会い、
それらの感覚の核の部分に触れるレッスンを通して、
一つ一つ、その感覚が作られた原因と、私自身という存在は全く別なのだ、
という仕分けの作業を通して、曖昧だった自分自身という輪郭を取り戻しています。

今もそのトレーニングの最中です。

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家族の負の遺産の連鎖を止められるのは、そこに気づいた人から・・・


私がこの「世代間連鎖」という言葉を初めて知ったのは、
今から20年程前。

心理カウンセリングを受けていた時に、
当時のカウンセラーが教えてくれました。


「家族の負の遺産は、世代間連鎖する。

下の代にいけばいくほど、その色は濃くなって表れてくる。

だけれど、そこに気づいた代から、その連鎖を止めることができるんだよ。

そこに気づいた人にしか、それはできないんだよ。」


当時20代にさしかかったばかりで、
まだまだ自分の子ども達に出会う何年も前の話ですが、
その内容がとても心に響いて、

「もう、私の代で止めなければいけない!!
こんな辛さを自分の子ども達に引き継がせてはいけない!!」

そんな風に強く思ったことを、今でも時々思い出すことがあります。

(世代間連鎖を止めれらるのはあなた次第)

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上の画像は、generational trauma(トラウマの世代間連鎖)につてい
わかりやすく表されているなと思います。

何かにつけて、「できないやつだな」というメッセージを受け取りながら育った1代目目は、2代目にもそのようなメッセージを様々な形で発信します。

それを無意識に受け取り続けて育った2代目は、
「だから自分はやってもやっても十分ではないんだ。
だから、がんばらなきゃ。もっともっとがんばらなきゃ。」
と自分を追い込みながら必死にがんばります。

3代目である息子に対して、

「どんなにやったて、じゅうぶんに満ち足りることはない。
お前はいつも何か不足している。死に物狂いでがんばるんだ。
そのくらい頑張っても、この世界で生き抜くのは難しいんだぞ。」

そんな何代も前から引き渡され続けたメッセージを受け取りながら育った3代目も、必死にがんばりました。

しかしある時、自分の生きづらさに気づきます。
そして、自分の成育歴の中で、
これまで生きてきた親や祖父母達の生き方から
どんなものを「愛」として受け取ってきたのか、その誤解に気づきます。

自分が本当に求めていたものに気がつき、触れられた時、
自分自身にも、4代目の自分の息子にも伝えていく言葉は、

「stupid」でもなく、

「not good enough」でもなく

「I love you」だったことに気づき理解するのです。

私自身も気づけば、自分の子供たちに、
私自身の傷や痛みを受け渡してしまったな、
と気づいて、後からハッとすることが何度もあります。

やはり、無意識でやっているのですね。

だからこそ、これからも自分痛みや傷を癒していくことは、
私が私として生きていく為に大切なことであり、
そしてこのことについて、地道にプロセスしていきたいと思います。

本日も読んでいただきありがとうございました(^^)

次回は「あなたは、私自身。だからなんだよ。」

を書いていきたいと思います(^-^)

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