『星の王子さま』は宝物となる物語
私がこれまで読んだ物語の中で最も印象的だったのは、サンテグジュペリ『星の王子さま』だ。この物語は全体的に、短めのシンプルな文章で書かれている。会話劇が中心となっているため、絵本のような感覚で読み進めることができる。
まず、大人である主人公の視点で物語がはじまって、王子さまとの不思議な掛け合いに惹き込まれていく。「すみません、ヒツジの絵を描いて」(1)という出会いのシーンの王子さまは、幼い子どもの印象だ。私はそのキャラクターに一気に愛着を覚えた。
物語上で繰り広げられていく