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魂が震えるほどの恋愛もどき

今日、夢に、全く出てきてほしくない男が出てきた。

若かりし頃、すったもんだあった男である。

その人は、夢の中で、なぜか私の実家の玄関にいた。

そして、玄関口で私の母に向かって、

「20代の大切な時期、お嬢さんを傷つけて本当にごめんなさい」

と謝罪している。

まるで地獄絵図に近い構図だった。

しかし、夢の中でも母は天然で、

「はぁ。男と女のことですからねぇ……。

いくら自分の娘のこととはいえ、あとのことは、お二人で解決してもらって、いいですか? 

私は今から、家族の晩御飯を作らなきゃいけないんで」

と、エプロン姿でしゃもじを持ちながらキョトンと首を傾げている。

たとえ夢の中とはいえ、私は今日ほど、母の意図的な天然ぶりに感謝したことはない。

男は母の返答を聞き、「はぁ。そうですか。すみません。突然に押しかけてしまって」と引き続きバツの悪い顔をしている。

私は夢の中で母の後ろ側に立ち、怪訝な様子で男の謝罪を聞いている。

土下座までする彼を見ながら私は、「なぜ今さら?」と脳内が大混乱した。

しかし、一方で私は、ずっとこの男に会いたいと願っていたことに気がついた。

だからこそ、久しぶりにその顔を正面から見て、信じれないくらい胸がいっぱいになっていた。

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