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自分が尋常じゃなく繊細だと思ったらHSPだった②

前回までのあらすじ

【誕生日だが浮いた話がなく、仕事の予定が詰まっていた私。そのことを人から馬鹿にされて落ち込んでいると、友人が私に声をかけてくれた。その言葉は、「アキコってHSPなんじゃない?」だった。他人からの言動に昔から酷く傷つきやすい、自分の性質について知りたくなった私は…】

自分の「繊細すぎる性格」を解明したい。

その一心で、私は国立国会図書館に足を運ぶことに決めた。

この場所には、これまで国内で販売されたおよそ全ての本が置いてあるらしい。

いつか先輩ライターが教えてくれた。

絶版になった本も、この施設のカウンターでお願いすると、30分後には倉庫から引っ張り出してきてくれるんだという。

しかも、施設利用料、無料。

それならば、と私には目当ての本があった。

それは、エレイン・N. アーロンという学者が書いた『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』という本。

最初に友人から「HSP」という言葉を聞いたとき、「えいち・えす・ぴー」という言葉を平仮名入力でググったときに、関連本として出てきた書籍だ。

タイトルからして興味が湧く。

何を隠そう、私自身も敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうひとりなのです、と瞬間的に思った。

しかし、この本。

書店での取り扱いも、インターネットでの販売もナシ。

Amazonで中古品の出品はあったが、おそろしく値段が跳ね上がっている。

定価1000円ちょっとの本に対して、販売価格が安くて9千円からの販売。

もっと高値で出している中古品だと、16万円とか20万円とか、平気でそんな額で出てくる。

まぁ、20年ほど前に出版された本だし、今から入手しようと思うほうが困難なのか。

そんな背景がありながら、どうしてもその本が読みたくなった私は、日曜の真っ昼間、永田町駅2番出口に到着して地上へと上がる。

すると、通りすがりの国会議事堂の前では、今日もデモが行われていた。

拡声器を持ち、政治に対する意見や要望を伝える人々の群れを通り過ぎる。

そんな中、私だけは「自分のメンタルの性質や根底が知りたい」という極めて個人的な思いを抱いていることが、少し恥ずかしく思えた。

永田町という街にいるのに、目当ての本は、全然政治と関係なくて、すんまそん。

でも、もうここまで来ちゃったしな。

サクサクと意気込みながら図書館の前まで向かうけれど、なんと、その日は休館日だった。

マジかよ、私ダサすぎ。

気を取り直して、今度は平日の真っ昼間にリベンジのため足を運んでみた。

「世の会社員が働いている時間に、わたしは仕事せずに図書館に出向くなんて」

という、ネガティブな自問自答をしてしまう。

「ひとり社畜精神」とでも呼ぶべきか。

もう今はフリーランスになのに、自分のなかで妙な葛藤がある。

が、その考えは間違っていた。

実際に図書館に入ると、スーツを着ている会社員と見られる男性がゴリゴリと調べ物をしていた。

それに、パソコンができるブースで仕事をこなしている人もいる。

えげつなく広い施設のなかで本に囲まれ、私は脳内が興奮しはじめる。

食堂もあったよ。あとでラーメン食おう。

さあ、セキュリティー対策のために、大きな荷物はロッカーに預ける。

緊張は続く。

この図書館で目当ての本、敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ。』を手にすることで、自分に変化は起きるのだろうか。

いよいよ本を読み漁る旅に出る。


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