古事記ちらし
世間が動き始めたのと連動して、私たちの仕事もにわかに動き始めました。
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本日の仕事は久々に創作的なもので、ちょっとおもしろい作業でした。
様々な種類の紙を引っ張り出してきて、ちぎったり重ねたりしながら、45センチ×60センチサイズの土台の和紙の上にコラージュしていくというもので、
わくわくしながら作業を進めているところです。
さてこの、45センチ×60センチサイズのこの紙はいったい何なのかというと、帯の緯糸(よこいと)のひとつで、
西陣織の業界では「引き箔」と呼ばれるものの原本です。
この一枚の紙が緯糸になるためには、1ミリ~3ミリ程度のものに細く裁断する必要があって、
ギロチンのような大きな丸い刃を持つ裁断機で、一本一本、刃を入れてスライスされていきます。
この、引き箔をスライスしてくださる職人さんも、あともう数人しかいらっしゃらず、できるだけ絶やさず残ってもらいたいのですが、年々引き箔の需要も減ってきているようで…。
できるだけたくさんの方に知ってもらい、わたしたちも仕事をつくって、末永く裁断屋さんにお願いしていきたいと思っております。
さて本題に戻りますと、
こちらの写真は本日作業を進めていた引き箔の原本です。
うちの工房の普段の仕事は、帯の受注生産がほとんどを占めていて、アイデアやデザインの片りんを受け取り、形にするというものです。
お得意さまとは、友禅作家さんや、作家さん、帯のメーカーさんなどです。
いつも、ほんとうにいろいろなモノをつくるのですが、お得意様の商品はなかなか公にお見せできるものがなくて、ご紹介しづらいというのが本音の部分です。
しかし、今回頂きましたオーダーは、ほとんどの部分を私たちにお任せくださり、「あなた方の感性で、好きにやってください」と言われているものでした。
なので、以前からストックしていた和紙を引っ張り出してきて、自由にコラージュすることにしました。
水色に染められた和紙に金彩が施された和紙、それに加えて、古事記の一部が印刷された和紙。
この二枚の和紙をみたときに、淡路島のオノコロの渦が思い浮かびました。
イザナギの尊とイザナミの尊がオノコロ〜オノコロ〜と渦を作り、国生みをされた渦のイメージです。
金色や白い泡の中から、島がうまれてくるイメージをちぎっては貼って、ちぎっては貼ってを繰り返していきます。
紙の渦に古事記をちらして。
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帯の緯糸になる、引き箔の原本をつくる作業は明日にも残していて、続きを行うのが楽しみです。
このあと、どのような工程を経て帯が出来上がるのか、随時ご報告していきたいと思っております。
こうご期待 !
#古事記ちらし #オノコロ #国生み #帯 #西陣織 #洒落帯 #織物OEM
フランスからスペインに抜けて進む、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼旅へいつか出たいと思っています。いただいたサポートは旅の足しにさせていただきます。何か響くものがありましたらサポートお願いします♪