洗脳 第二章 嫌われたくない

「他人に迷惑かけるな」

両親から、口酸っぱく言われました。
自分でなんとか、やり通せ
やり始めたんだから最後まできちんとやれ
口に出したからはきちんとやれ
できない事を口にするな
みんなと同じように普通でいなさい

まぁ、たくさん言われましたよ

両親がこんな風に洗脳するから
社会を知らない私は、
みんな、こんな風に思ってるんだ。
ならば、私は従わなきゃいけないと

これが後々
「あなたは真面目だから面白くない」に
繋がるわけだ。

父の家系は頭の良い人が多い
(私の大好きだった従兄弟のお兄さんは、
高校中退していたけれど、地頭は良いはずだ)

母方は…
自由な人が多いかな…

父は祖父母を嫌っていたようで
実家に帰省する様子がなかった。
私の記憶では夏休みに1週間ほど、
遊びに行った事があるだけ。

祖母は妹が生まれた時に
お手伝いできたらしいが記憶にない

父方の従兄弟達が優秀だったため
私にも優秀でいる事を求められた。
だけど、私の成績は中の下…
父は、俺が教育し直す、と思ったのか、
そこから、しごきが始まる

父は、教師になりたくて短大を卒業している。(今、その短大は大学になったらしい)
でも、なんだかんだで資格は取れず、教師にはなれなかった
(なれなくて良かった)

私は掛け算が苦手でちっとも覚えられなかった。
父はそれが気に入らず、毎晩仕事から帰ってくると、私に暗唱させた。
にーいち、が…
詰まると最初からやり直し、
できないと、翌日の夜までに暗記しておくように言われた。
昼間、母と一緒に暗記した。
母となら、きちんと暗唱もできた
ところが、父とはできない。
「怒られる」という緊張感で抜けてしまうのだ。

「昼間何してた!暗記しろって言ったよな!」

ククを言えない私を怒鳴り、
引っ叩く。
叩かれた勢いで近くの箪笥にぶつかり、出血
した。

「もういい!寝ろ!明日はちゃんと暗記しろよ!」

父はそう言って、お風呂に行く

私は母に絆創膏を貼ってもらい
ベットに入る。
「お父さんに怒られないように、ちゃんと暗記しなきゃ」

お父さんが怒るのは、私がククを覚えないから。
ククさへ覚えれば。

父は、怒らせてはいけない存在で
私の頭が悪いからいけないんだ

段々とそう思うようになっていった

本当は、父の教え方が悪いのかもしれない
とか、暴力がいけない、とか、
『待つ』姿勢が足りないとか、
今なら、つっこみ満載だけど、当時の私には
そんな事を考える頭はなかった。
父が怖い。
そうやって、私は、父の顔色を見るようになっていった。

そして、
人の顔色を伺いながら生きる子になったのだったのだ。

嫌われたくない
だから
様子を伺いながら
顔色を伺いながら

自分の意見は隠し
他人の意見に従うようになった。

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