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立ち会い

前回、息子を出産した時の記事をチラッと書いたその時の続きを

寝ぼけ眼の娘を連れて
入院荷物を準備して
夫の運転で病院へ

助手席の娘はウキウキしていた

病院に着くと、看護師さんが車椅子を
用意していた

「まだ歩けますから」という私の言葉に

「せっかくだから、乗ってみませんか?」
看護師さんが優しく微笑んだ

私はこの時、初めて車椅子に乗った

看護師さんは丁寧に移動してくれたけれど
なんとも、居心地が悪く、歩きたかった。

「歩いた方が、おさんは早く進むのでは?」
と聞くと
「それは、破水していない場合です。
破水した後だと危険なんです」

あまりに無知で恥ずかしくなった。

車椅子で運ばれた陣痛室
「破水してるから、このまま分娩室に」と
着替えるとすぐに分娩室に

分娩台にくくりつつけられて
思い出したのは娘の時の事…
あぁ、あの時は大変だったなぁ

分娩室には助産師さんが常駐していて
CDをかけてくれ、
時折、私の体の様子も見てくれた

娘はそんな助産師さんの後をくっついて歩いて「これは何?」と聞いていた

段々と痛みが強くなり、分娩台の上でもがく私の腰をさすったりしながら、
「旦那さん、こうやって腰をさすってあげてください」と夫に指導

夫も言われた通りにやってるのだけど…

ありがとう、と言いつつ、ちょっとなぁ

NSTが巻かれてモニターに映る

痛みが引いた時にチラッとみると
赤ちゃんの心拍が不安定

モニターを見ていた看護師さんが慌てた様子で
「先生呼んで!」と叫んだ

その声で私の周りに看護師と助産師が集まり始める

いよいよ、生まれるんだ!
頑張らなきゃ!

だけど、
お腹を裂かれるような痛みに
呼吸が止まる

優しかった看護師さんの声が厳しくなって
「お母さん!息して!赤ちゃん苦しいよ!」
と言った。

…どうしましょうか、酸素マスクを…

チラッと聞こえた声に恐怖を感じた。

いっこうに出てくる気配はなく、
痛みも上がったり下がったり

担当医が入ってきて
穏やかな声で夫と娘に挨拶

モニターを見て、看護師さんの話を
聞いた後
顔から笑顔が消え、
酸素マスク!と叫んだ

酸素マスクをしながら
これも初体験だなぁ
冷たいんだ

などと思っていたら
痛みが来て、分娩台の上でもがいた

「危ない!しっかり抑えろ!」
担当医が怒鳴った

何が起こってるのか、わからない
ただ痛みが止まなくなってきて
看護師さんに問いかけられても
うなづく事しかできなかった

この時、
実は大変な事になっていた事に
私はまだ気づいていなかった

「吸引するぞ!しっかり(私を)押さえて!」
担当医が叫んだ
「だめだ!もう一回!」

やっと出てきた
…が泣き声がしない

体をちょっと起こしたら
すぐ看護師さんがやんわりと戻した

その一瞬の隙に見たもの
担当医が息子のお尻を叩いていた

「赤ちゃんかわいそう」
娘の声が聞こえて
「赤ちゃん泣かないとね、いけないんだ」
夫の声が聞こえた

なんとか、泣いて
ホッとしたら涙が出てきた

その後
担当医と何の話をしたか
覚えていない

夫と娘の立ち会い
これは決めてたことではない
担当医から特に言われてなかった
なりゆきじょう、そうなってしまっただけ

娘にその時のことを聞いても
覚えてない、と
衝撃すぎたのかな😅

なかなか、生まれなかった理由
頭が挟まっていたせいだった

担当医も二人目だからと油断したらしい
予定日もまだ、だから、来週にでも。

と考えていたらしい

ここからは夫談

看護師さんが、担当医を呼びに行ってる間
夫は壁に貼ってあった緊急事態表をみながら
ヒヤヒヤしていた
下から順に危険度が上がっていき、
最終的に緊急帝王切開…
後一つという所で回避できて、ホッとしたという。
担当医が入ってきた時は、余裕がある感じだったんだけど、段々と顔つきが険しくなって大丈夫か、と不安になったらしい。

娘も立ち会い(この話は娘の誕生日に)
だったけど、こんなにヒヤヒヤしなかったと言ってた

私は、私の娘も夫も度胸がいいよなと思う。
本当なら、怖いとか、失神しちゃうような場面で平気(内心はヒヤヒヤ)なんて。
出産前に聞いていた夫さんの話は、嫌がる、
失神するだったので、ちょっとびっくり。

でも、疲れたようでした
そりゃそうよね
立ちぱなしだったんだもの。

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