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あの人のママに会うために♫南フランスの田舎へ
もし、奇跡的な体験が人生で数回あるとしたら、この経験はトップ3に入るくらい美しい物語。
いま、とても、とても幸せで、涙が出る。そんな気持ち。
その奇跡に出会ったのは9年前、大学生時代にわたしがひとり旅で南フランスに訪れた時だった。
なんとなく南フランスの田舎に行きたくて、一応目指すところがあった方がいいだろうと南フランスの美しい村を選んだ。
リヨンから電車で南へひたすら下り、駅についた。そこは、こんじんまりしているけどホテルやツーリストオフィスもある町だった。その町から目的の美しい村までバスで行けるはずなのだが、予定時刻を過ぎて待てども待てどもバスは来なかった。
バス停で絵を描きながら待っていると1人の青年が声をかけてくれた。このあたりで英語を話せる人がいないため驚き、話しているとバスのスケジュールはちょうど昨日変更され、わたしが見ていた時刻表は意味をなさないという。近くにママが住んでいて彼女が目的地まで送ってくれると思うよ、という言葉を信じて彼について行った。(真似厳禁)
彼とふたりでオリーブ畑が連なる道を歩きながら、よく贈り物が届くという誰にでも好かれるママの話や小高い丘の上にあるいつかの城の話などをしてくれた。
彼のママは快くわたしを迎えてくれて、もう遅いからと泊めてくれた。( ちゃっかり2-3泊したガメついわし笑)
それが、彼らファミリーとの出会いだった。それから素敵な時間を過ごし、ずっと忘れられないでいた。
9年越しだが、時間ができたので彼らに会うため連絡をした。Facebookで連絡してみるが返事が返ってこず、他に手段はないかと思っていたが、メールアドレスを知っていることを思い出した。
彼のママにメールを送ると返事が返ってきて、いよいよ会うことに!
スペシャルな想い出すぎて、記憶の中の彼らがあまりに美しくて、会う前にお互い違う印象を抱いてしまうのではと少しナーバスになっていた。
あー!こわいなあー!と思いながらも待ち合わせの場所につき、ついに対面!
明るい笑顔に迎えられ、結局素敵な時間を過ごすことができた。
彼らファミリーの家は以前来た時と変わっていて、古い家を改装してつくったもので光が多く入る明るい家だった。山の一角を買っているような感じで犬5匹、猫2匹、馬2頭、鶏3羽がいる大きな土地だ。ダイニングからは山々の壮大な景色が望め、水は地下水を汲んでいるという、自然を味わえる場所。
今回の滞在では、フランスの悪い側面や家族の大変なところなど、一見素晴らしい生活に見える今の暮らしもいつまで続くか分からない危うさを語ってくれて、前回より一層深いところに触れた気がする。
色んなことが起きるけど、自分が求めている小さな幸せを信じて、その幸せを共有しながら、笑って生きていけたらいいな。そう、改めて思える時間となった。こんなこと、まじで起きてるなんて自分でも信じられへんし、南フランスのTHEプロバンスの絵本みたいな景色は、これが全て夢ではないかと思わせていた。
帰りに「わたしたちを忘れてほしくないから」とネックレスをくれた。わたしだけではなく、彼らファミリーにとっても意味のある時間であり私の存在にも価値があったと感じて、そして日本に帰ったときもあの時間は嘘ではないと思い出させてくれるもので、とても嬉しい。
美しい出会いに乾杯!
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