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【姫文余話】第13話『児童文具#2』

「きまじめ姫と文房具王子」の第13話『児童文具#2』(2巻収録)についての余談です。
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前回の児童文具#1の続きです。

文具が過保護になっていくのに疑問を持った…という話でしたが、どういうことかっていうと、子供にとっての「道具」って単に作業の効率化を目指すという目的だけではなくて「知育」という目的があると思っていて。
便利機能=サポート機能が多すぎると、手先の器用さや創造性を育むための「知育」にならないんじゃないか??ということです。

実際、子育てを通してみても、私たちが子供の頃より、今の子は0から何かを作ることがなんとなく苦手なように思います。「これを使えばこういうことができるよ」と土台や楽しみ方を用意してあげればそれはもう大人顔負けに器用にこなす子が多い反面、「自由に何をしてもいいよ」となった時に、何をしたらいいのかわからない子が多いような~…考えすぎ?

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そんなことを思ってた時に、まっち透明水彩絵の具に出会いました。正式には「ベイシックカラー透明水彩3原色セット」という名前なのですが、街の文具店等で実際に売られてる所を見たことが無くて、まだその頃は実店舗があった文具店「ムスビメ」さん(今はオンラインショップされてます)に置いてあったのがきっかけで知りました。

きまじめ姫と文房具王子13_022

「ベイシックカラー透明水彩3原色セット」は、シアン・マゼンタ・イエローの3原色に、 ホワイトとブラックを加えた5本のセット。普通、色は混ぜれば混ぜるほど彩度が落ちていくのですが、この絵の具は混色しても濁りが少ないという特徴があります。
この最低限の色数で、どんな色が作れるかを考えながら描く絵は面白そうだと思いませんか。写生大会に行ったら、まず木の緑を描くために迷うことに(笑) 子供は、色彩感覚を体験しながら学べるのです。

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上は株式会社まっちさんのサイトのブログで書いていただいたかの子と蜂谷。
http://blog.match-japan.com/?eid=361
株式会社まっちさんは創業1962年の会社。
50年前からすでに環境や子供の身体に優しい素材に着目し、丁寧に画材を作ってこられた会社さんです。

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これと同じような考え方の商品も見つけました。
シャチハタから出ている「エポンテ カラースタンプ」です。
スタンプの重なるところが混色になり、色の不思議を体験できるものになっていて、先に紹介した絵の具よりもスタンプになってる分、さらに低い年齢の子供にも体験してもらえる商品だと思いました。

あと、今まで危険のリスクと引き換えにしか得られなかったような体験を、技術の進歩でカバーしてる文具の登場にも感動しました。
このお話を描いた後に、オルファのキッターという商品が発売されました。可愛らしいフォルムですが、実際に大人の使うカッターと使い方は一緒。刃が専用刃になっていて、プラスチックで大半を覆い、最低限しか刃の部分が露出しないようになっています。よって刃物を使うことで起こりうる危険も最低限。
また、刃には従来のオルファの刃のように、折り目が入っていて、カッターを折り、刃を新しく変えることもできます。大人でも結構怖いっていう人のいる刃の交換作業。(ちゃんとやれば全然怖くないんですけどね💦)
キッターなら、子供でも危険を伴わずに使い方をマスターできます。
動作を子供向けに合わせたものを使い続けて慣れてしまうと、いつ大人用の道具に切り替えるのかも難しそうです。でもキッターだと、スムーズに大人のカッターへの移行もできそうです。

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文具に関してだけじゃなくて、日ごろから色々なことに関して「ある一定のラインからそれ以上進化しすぎる事って果たしていいことなんだろうか…?」みたいなことを考えていたところが自分にはあるんですが、ある意味その答えのようなものに出会えた気がしました。
技術の進歩は人間に楽を提供して堕落(笑)させるばかりではなくて、人間の感覚を研ぎ澄ましたり、できないことにチャレンジさせたり、そういうための技術なら進化し続けることは重要なんだと考えさせられる商品でした。

2019年には「宿題やる気ペン」という、IoT(Internet of Things)を導入した全く新しい文具まで登場しました。
これが人にとって必要な便利なのかそうでないのか、まだ子供向けのloT文具に関しては出て間もない事や、きちんと商品を試したことがないので私には「すげー!」という感想以外まだなんとも言えませんが、今後はこういった色々な垣根を超えた道具が出てくるような気がします。
今まで子供には「最先端」を与えていたら良かったのかもしれないけど、選ぶ方も何を選び与えるか考えることが重要な気がします。

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さて、なんか悪い癖でごちゃごちゃ書いてしまいましたが、季節も春が近づいて、今年も入学シーズンとなりました。
コロナウイルスが流行っていて、自分は外出もあまりしておらず…最近ちゃんとした文具店にずっと行けていないのでありますが、今年はどんな新しい学童文具がでているのか店頭で目にするのが楽しみです。早くお出かけが心行くままできるようになるといいですよね。収束を切に願います。

そういえば、12話と13話に続けて出てきたかの子の姪、眞子の名前についてですが、何人かに「皇族の眞子さまと何か関係あるのか」と聞かれたことあるんですけど、何にも関係ありません(笑)言われて気付きました。
最近うちの娘が、Youtuberの文具紹介を参考に文具を買ったりしてるみたいなので、小中学生さんが使う文房具事情についても、また眞子ちゃんを登場させて描くことができたらなあ…なんて思ったりします。
やっぱね、文具は生徒や学生が真のユーザーですよ。私なんかより、現役でめちゃくちゃ使ってますもん。(使えたり見せ合える環境うらやましい…)娘の使ってるものを見せてもらうと、なかなか可愛いだけでなく、自分なりに考えた厳選文具を買ってるんですよね。勉強になります(笑)

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