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飲んだ日日記 20240209

 在宅勤務。朝10時からの週次面談を部長にすっぽかされる。おおかた前日深酒からの寝坊が理由だろう。2日前、私もまったく同じ理由で、毎日9時から実施されている60分間の朝礼(という蔑称で私が呼んでいる、前日の業務進捗をチーム全員が順にリーダーに報告する会議。チームリーダーの趣味)に50分遅刻したので何も言わない。部長の寝過ごしは2回目なので、来週以降の面談の時間を、午後に変更した。前回の寝過ごしの後にこうすればよかったのだ。私もそっちのほうがよいわけですし。朝弱い者どうしでなぜリスクをおかしていたのか。

 おとといから喉がいがらっぽいため、昼休みに内科へ。風邪ではなくアレルギー的な喉の荒れ方だと言われる。花粉か……? すでに花粉症の薬を服用し始めているのになぜ。
 風邪だろうと花粉症だろうとイガっている喉につける薬は同じなので、喉の炎症を抑える薬と、あと花粉症用の漢方をもらう。診察と薬、合わせて3000円弱。お金の価値について考える。今朝、喉が痛いからと言って、夜予定していた友達とのサイゼ飲みをキャンセルした。そこで浮いた金。それよりも医療費の方が高いかな。でもサイゼのあと、素敵っぽいバーに行こうとも話していたから、そう考えると安上がりかな。結局飲み会は再来週にリスケされたから、結局出て行くお金は純増だけどね。ちょっとした体調不良ですぐ病院に行くな。でも病院が好きなんです。町医者にかかるときのあの「この人を信じていいのかな……」といううっすらとした不安を、生活の中の娯楽として楽しんでいるんです。
 それはそれとして喉は治ってほしい。日曜は同人誌即売会で、初めて会うオタクの人たちと大いにおしゃべりしたいと思っているのだから。

 夕方、趣味=朝礼の上司と話していたら、「部内でのあなたの評価は高いですよ」とおべっかを言われたので、「ではその良い評判を部長に大いに吹き込んでください。お給料を上げたいので。お金が必要なんです」と言い返したら、「何のお金が必要なの?」と言われたので、住宅ローンとか、あとは友達と飲んだり、色々なチケットや好きなものを買ったりすることですと普通に本当のことを言った。リーダーはほとんどの人と同じように、(独身で)住宅ローンを契約していることについて驚いてみせたあと、「でもいいね! 俺もそっち派。バカみたいなお金の使い方も大事だよね」と言われた。10歳以上年上の赤の他人に不意打ちでバカみたいと断じられた衝撃で固まる。バカなんだ、私……。
 彼の話は続き、最近結婚したので、ダブルインカムを前提に億ションの購入を検討しているという。私に向けられた「バカみたい」という言葉の意味が、「刹那的」「享楽的」みたいな意味であったことを察する。パートナーがいないならいずれ出会うパートナーと子孫のために金だけ貯めておくのが堅実・賢明ということでしょうか?(卑屈)
  夕飯を作りながら焼酎のソーダ割りを飲む。適当に鶏肉を焼いてドレッシングで味付けしてレタスに巻いて食べた。

 数日前、彼氏のいる友達に対していろいろ言った後「ま、彼氏いないんですけど」的なちょけをしたら、「交際相手が欲しいと思っていない人にそれ言われると、リアクションに困る」と言われて衝撃を受けた。自分が極めてつまらないリアクションに困るようなことを言っている自覚はあったので、衝撃を受けたのは前半部分にである。欲しいと思ってない!? そんなことは一言たりとも口にしたことはないのに。いるかいないかだったらいた方が絶対にいいと思っている(私の私に対する意見です)。私の何が彼女にそれを断定させたのだろう。……という話をその後会った別の友達にしたら、「でも私も、要らないんだろうと思ってました」と言われた。
 やっぱり何かが間違っているんだ私……と思う。人生と社会に対する態度に関して、何かが決定的に。
 すごくないか。こんなにも恋愛が人気コンテンツとして盛り上がっているこの社会で。こんなにも配偶者がいる人間の方が暮らしやすいこの社会で!
 (自身がセクシュアリティの観点から恋愛をしないと表明しているわけではない前提の上で)「要らないと思っているのだろう」と友達に確信を得させるのって、相当強い要素がありますよね。
「私、甘いものは食べないんです」と表明しているわけでもないのに、「通りもん、嫌いなんだろうと思ってました」と言われるくらいの名探偵ぶり。どう? この喩え? 微妙か!?

 やっぱりこの異常な狭量さが理由か……1ミスでNGになるもんな。強烈に傲慢なので。自覚はある。潔癖ともいわれる。その狭量さの割には友達付き合い広いよねとも言われるのだが、1ミスNGルールだったら友達いなくなっちゃうだろ!!!!!!!友達がいなくなるのと交際相手がいなくなるんだったら前者の方がダメージ大き……

 なるほどね。

 よく分かりました。全ての友達とそれぞれの理由で疎遠になり、あの人たちが私に一瞥もくれなくなったとき、一人で悔いながら死んだように生きる未来だけが決定づけられているということが分かりました。
 その未来に抗うためにパートナーを探すか。でもそんな動機で選んだら相手に失礼では? 相手も同じ動機で私を選んでいるから共犯なので問題なしってこと?

 走馬灯のようにパートナーのいる人たちの顔が思い浮かぶ。そうなんです! 私はまだ本当の愛を知らないんです! と哀れっぽい顔をするしかなくなってしまう。
 そういえば「哀れなるものたち」のベラ、結局最後は高学歴の医者になり、優しい医者の夫・知的好奇心を刺激してくれる恋人・広い家・かわいいペット・それらを世話してくれる使用人、とすべてを手に入れてたな。許せないかも。私1つも持ってません。素直に妬ましいや。

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