20.

 死んでもいいやと思った。それはぼんやりと「あぁもう死んでもいいや」という納得に近い感覚だった。諦めだった。

 誰に助けを求めても助けなんてないことは、すでに知っていた。

 刃物を握りしめて一晩中布団にくるまって、朝がやってきたときなんの感情も湧かなかった。

 はぐれものに、生きる場所なんかなく、居場所もなく、誰も居ない。好きだなんて軽薄な、軽率な言葉だけがそのにあった。

 壊死していく。

 みんなそうだとか、なんとかなるだとか、そのうちいいことがあるだとか、他人事だから吐ける言葉だと思う。そのうちいいことがあるよって言われて何十年経ったんだ?なぁ、教えてくれよ。いいことってなんだよ。適当なこと言うくらいなら黙っててくれよ。

 みんな同じなわけないだろ。

 まともに生きてて偉いね、ちゃんと生きれててえらいね、すごいね、一生わかりあえないね。さよなら。

君と僕の世界。共鳴できたら嬉しいです。なにかが刺さってくれたらそれだけで幸せです。