燃料は楽しかったこと

悲しかったことのせめぎ合い

悲しみには終わりがないね

終わりがないのは悲しいからね

ぼくは君の翻訳機になって

世界中を飛びまわってみたい

悲しいね 悲しいね 悲しいね

時々 楽しいね


翻訳機 / People In The Box


2022年4月1日

この日はあまり好きじゃない。なぜなら多分日本の半数以上は嘘を付く日だからだ。嘘にも種類があると教えてくれた人は優しい嘘ばかりついた。今、この瞬間に笑っている人もいれば泣いている人もいるだろう。こんな晴れた日に、桜吹雪が雪に見える午後の穏やかな時間にも。心はとても穏やかだ。この閉鎖的な環境の中でポチポチとキーボードを打っていて、昼間の陽が差す部屋で、珈琲をお供に、とても楽しい。楽しいと思ったのはいつぶりだろうと思ったけれど、そんなことなかった。最近、とても楽しい。容易な言葉かもしれないけれど、生きていてよかった。あの時死ななくて良かった。首吊らなくて良かった。ナイフでお腹を刺さなくて良かった。手首を切ってお風呂場で気絶しなくて良かった。今、存分に息をしていて酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出して、身体中に巡る血流の流れに酸素が巡っていく。今、生きていてよかった。それで、よかった。

「あれは優しい嘘だったんだよ」と誰かが教えてくれれば良かった。最初から嘘と分かればあの時、あんなに入り込むこともなくやり過ごせたのに。盲目になっていたと、今は客観視できるけれどその瞬間はとても辛いものだった。

桜並木を横目に流しながら2人のおばあちゃん達が年金の話を語っていて、老父婦が急な階段で手を繋いで歩いて、桜を背におばあちゃんが立ってお爺さんが写真を撮っていて。とても平和なこの時間がいつまでも、いつまでも続けばいいなと思った。


中学校の入学式は、学校に咲いている1本の大きな桜の木の下で写真を撮った。真新しいパリッとして少しぶかぶかな制服を身に纏い、母は笑っていた。新しいオレンジ色のリュック。真っ白な靴。どこまでも、何にでもなれる気がした。戻るなら、私はこの日に戻りたい。幸せな時間だった。顔の整った友達と綺麗なお母さんと、私の母とお喋りしていて、通学はバスだねとか定期買った?とかゴールデンレトリバーのソフィアの話をしたりだとか。そんな日を思い出す。もう戻れないのも分かっているけれど、それは寂しくない。今は。


4月。これからどんな出会いがあるだろう。どんな別れがあるだろう。もう少ししたら桜の花びらも全部散って新緑の芽が顔を出す。面白い世界だな。何かと何かで、繋がっていて、時には離れて、またすれ違って。


また会えた時はどんな顔をしているだろう。

皺は増えたかな。


文章がバラバラで残すけど、今日はこれが備忘録。

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