ダラララザブン




走ることと書くことは似ている

のだろうね

擬似音楽なリズム運動

慈愛 楽軽 滑走

一歩一歩と一語一語を慈しみ

愛すること 楽な心地で奏でるような

軽い動作と文法を志向すること

すると滑り始めて走り出す

コトコトラララ ローマ文明の終わりに

城壁の中 石畳の上

流された筈の無名の涙

乾いて消えた大衆の汗

過去から途切れた今現在に

何も無いので誰も居られず

誰も居ないので誰も来ない

迷路のような複雑と化した風葬の街

温暖なる地中海の新天地で

ユダの子孫は未だに自責し

せめて歴史を編纂しようと

終わりにて始まってから終わるまでを

忘れたくせに思い出しては書き留める

重厚な眼差しを横から覗き込む童子が

ショートケーキを頬張りながら述べるのは

相当高度な創世記

平和のための重量火器

戦争を遂行する従量課金

振り回すはいつの世も鳥獣の類

コントラストに求める幸福は

明暗から飛び出してきた閃光に似て

ただそれだけでいいのにという矛盾を

今も私の末裔に呟かせている

残酷 慈悲 享楽

身を守ることを捨てた者の高度な感情

一つのシャベルでは取りこぼす豊穣の土壌

花であることを脱したガーベラは

枯れる前から突然変異し

ミレニアムを経て動物を生み

ホモサピエンスを夢見てる

根を張るものは知らぬ真実

知的であることは走っては書くこと

今を生きながらローマ文明の終わりを

振り返っては思い出すこと

風葬と化した虚なる笛の音を

今世に書き留めながら

代わりに涙を流すこと

怒りを許して悲しんでやること

光合成を越える不合理についての

切ない叙事詩を諳んじながら

会えないものに逢いに行くこと

どんな誹りを受けても

どれだけの失いがあろうと

得失を越えた存在であろうと

不合理由来のメロディーに

合理的にダイブすること

太陽だけでは駄目だったから

月を引き合いに闇を謳って

満月を理由に虐殺し

硝子の破片を散らばらし

新月を理由に目を閉じて

適当な物語を紡ぎ出すこと

ローマ文明についての

出来れば終わり間際の

硝子の破片が砂になる頃












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