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詩、 寓話、 remix





● 詩

 ある瞬間のこころのかたち、とか、普遍の認識の枠組み
 を、言葉でろかしたもの
 それらの鋳型を生物学の教科書に載せたい、から

● 寓話

 物語の可能性、あるいは、可能性の物語
 実はあなたに、顔のない物語を刷り込みたいのです

● remix

 私の脳の活性分布を 神経回路で文体にした
 私の気分と眺めにあなたを引き摺り込むため
 同化セックスしたいから


テキスタイルの隙間から

鬼が顔だしてみてる

あなたにはそれがみえない

わたしにもそれはみえない


言葉は「言葉」じゃないことが言葉の不思議で、だから幾つもの可能性をパズルして、私の脳の活性分布とあなたのそれが合わさるように

そんな電気的な営みを文体としている 分かる ?

「 分かる 」はどうかわからないけど、私の骨を半分に割り、白い髄液をすすってください それはたぶん「 分かる 」

これは pulse のつらなり spike で、私の生理の電気的 code、ぎりぎりのところでそちらに image を結ばせる trial である のでは ?

昔の祭りを想い出して だって今だって 楽しいでしょう あなたがわたしのニューロンを ひとつひとつ踏み鳴らして この電気的刺激はひとつ快楽 今この瞬間に分かち合われる

分かるんだよ今 読まれてるって パチパチ音がするからさ
こことそこが一緒になって

情報は複製 これはあの人の言ったこと 隣人愛 平等
複製は変異するけど 変異は複製のバリエーションだし
確かにちょっとハードコアでも 情報は複製 でいいね

私のテキスタイルの隙間にあなたを 私もろとも引き摺り込む
私というテキストの不完全性から 新たな完全性へと飛躍する
誤謬を一から味わい交わす嘆息
ねえどうだい いい気分だねえ 自由ってのは

こんな気分もまた喰われまた喰われなおす過程を這いずり回る
お互いの身体を下敷きにして意味もなく前進する
あびせ合う罵倒をピースに新たな言語を組み上げる
最後に黙ってそれを眺める
ゲシュタルト更新 新たな不公平デザイン
ねえどうだい いい気分だろう 快楽だから

言葉は結局 感覚と感情の それと動きへの可能性
高いところへ結び合わせて 低いところへ解き落とせば
そこに物語 一枚のテキスタイルが生まれる
敷きつめれば言語石畳


テキスタイルの隙間から

鬼が顔だしてみてる

あなたにはそれがみえない

わたしにもそれはみえない














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