ソリューション

雨粒は空を落ちていた

風に吹かれながら思った

私はなんて孤独なのだろう

幾千万もの仲間に囲まれながら

彼らと交ざり合うことができない

雨粒は水面に達して海に落ち

幾千万もの仲間と海へ融けた

そうして孤独の双子を生んだ

気泡は海を昇っていた

潮に押されながら思った

私はなんて孤独なのだろう

幾千万もの仲間に囲まれながら

彼らと交ざり合うことができない

気泡は水面に達して空に昇り

幾千万もの仲間と空へ融けた

そうして孤独の双子を想った

赤子はこの世に生まれていた

母に抱かれながら同じように思った

やがて自らも母となり子を生んで死んだ

そうして同じように想ったのかもしれないが

その先のことは誰も知らない