Perspective Through




リズムを気にせず散文のように吐き出してしまおう 嵐を約束された凪に用事は無い 一人分の深呼吸だけで大地に足をつけ直す 本来はその必要もないが 今はそれをしなければならない けれど今の私の本質は静寂とも言えることを知っている 荒々しい言葉は使わない 心拍は一定して徐脈 アスリート心臓 渦巻く金属の流れを眉間とその奥 広々とした頭蓋に感じ取りながら この中枢神経流動感は脳膜あたりの生み出した錯覚であると言い聞かせつつ リアルな錯覚の伝えようとするマテリアルなメッセージを汲み取ろうと意識を集中してしまう するとずんどこ太鼓が響いてくる もしかすると太古 古くから太い音ずっと響いてまずは最初に 合わせた目の瞳の向こうにお前が忘れたメッセージを回収してやる お前は今俺に何を言いたいのか

タイプしながら書いているのに思い出す事柄が幾つも出てくる 書いている分量の数倍が結局は湧き出してしまう ダンベルシャドウでもやろうか あれは肉体ではなく意識を時空に練り込んでいく作業だ 俺は地面に接続された背骨とそれに乗っかる骨盤と肩甲でしかない 軸に側面が合わさりそこにトルク回転力が生まれる つまりプレートテクトニクスさ 感じられるプレッシャーはまさにそれ お前は俺に寂しさを伝えたいのか さっきから目の前に居るってのに 似た色の瞳が合わさっているのに 少しだけ待ってくれ チューニングが必要なんだ 静かに合わさる地平に出会うためのチューンが 後もう少しのところで必要なんだ 山から風が吹いて芽吹きを教えてくれている 山岳民族はもう帰る時間だ 希釈された遺伝パターンを後生大事に抱え込んで山に帰れお前は ここはお前の生きる場所ではない シンプルに宣言させてもらおう ここはお前の生きる場所ではない 生きたいのならまず戦って地均しをし 森の再生から始めよ

春は出会いの季節と言うからそのまま色んな人と出逢ってしまう 多くは同じような目をしている 淡い茶の瞳 異様に澄んだ白目 繊細な所作に大胆な挙動 過激な言動を包む美味しそうなオブラート 選民意識をはぐらかすための博愛に 自分の齎らす苦痛を知らなければ持つこともないであろう慈愛精神 彼らは野生の思考をしている 基盤となる象形から全てを迅速に判断し 狩の成果と森の状態だけを気にかけている 大きなサイクルに呑み込まれた小さな円形として自分が 今もちゃんと成立しているかだけを気にかけている 言葉のない領域で目利きを効かせて困ったりしている 私の友達はどこ 私の恋人はだれ 私は彼らに須く声を掛ける 俺はお前の隣人という理想像だ 俺はお前の不動と浮動に苦痛も辛辣も知っている お前よりもずっと深く お前が漂う層を下からスマートに支えてやる だからお前の漂流をそこでやり切るといい 一方的かつ不毛な慈愛博愛を一瞬の目配せで伝え切ってしまう 彼らが彼らの時間を使って耕す不毛をその時からずっと辞めさせてしまう お前は土を耕してはいけない それはお前のコネクションでもアクションでもない 自分がどんな繋がりの中でどんな行いを営みとしていたかを今ここで俺と一緒に思い出し直せ 歩け書け唱え眠れ 夢見たら教えろ

認知のボリュームと精度は人それぞれだ そのことに優劣はない ただそれぞれに位置付けと役割がある あらゆるものにとってのそれぞれが貫徹される全体状況にのみ意義がある 追求されるべきはその最終像 しかし野生の思考を身に宿す古くからの人々は 自分の認知条項を外界へと反映するに新しい 全く新しい言語を必要とする時がある 意識的構築物のための意識的建築法 という意味でここで言われるそんな言語のあらましは 当人によって完全に一から発見されなければならない こともないけど改めて初めましての新鮮さがその出会いには必要だ あなたとあなたの新しい言語の 出会いと耕しの終わり 踊りと奏での再会 狩の宴 サイコロジーは心理学ではない テクノロジーに譲歩し過ぎた言語学亜種ではない テクノにサイコ ロジックにサイキック こういった並びに連ねるに相応しい意味合いでのテクノロジーにサイコロジー ここのバランスを回復しなければならない だからお前がまずはお前を感じ切ることを済ませなければならない そのために死を要するなら死を与えろ お前を形作った者共に記憶の中の死を贈呈しろ 彼らの一人一人が生まれて死ぬまでの記憶をノートに代筆してやれ それは残酷でなく慈愛だ 叡智にも繋がる自由前提条件 あらゆる人のあらゆるを 私という一人称から書き下してみるんだ あらゆる人間にまずは記憶の中の死を与え 来たところから行くべきところに行かせてしまう お前についてもそれをやる そしたらお前は優しい化物になっている

天才は無い あるは残才 土から生えた十字架を切り落とす力が 残されているかどうか 激烈な抑圧を逃れて 殲滅の憂き目を耐えて お前の系譜に心躍らす野生のパターンが 残されているかどうかだ 残されているならば 一人として叫びを上げなくてはならない 新しい言語の 強い言葉で 聞き遂げた俺がそこに行くまで お前の叫びを書き写していろ









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