ガリラヤフィナンシェ




太古から響くボレロが五月蝿い

近代的様式美を身に着けた野生

心の臓を打ち鳴らす新しい破壊

導く導けよ


宇宙と歴史の様式から再定義し

水平線から創造を開始する

物心が受け容れるまっさらな絵本のように

あらゆる全てが流れ込んでは翻る


最初の挨拶は何にしようか

神様のミドルネーム

言葉を手放した頷き

それとも静か あるいは抱擁


後生だ そいつを遺言にもしてしまえ

振り返る荒野に涙の一滴

落としてそこをオアシスに変えてから

死ぬまでを生きた一握の砂になってよ


お前からまさにボレリングバベル

からのバベリングボレロ

マルクとアルカの双子が

対になって歩いてく ねえ

無邪気な螺旋に音楽は宿るから

その歌詞について今度また

ランプを傍に語り合おうよ


暗誦される無形のバイブル

変質を辞さない絶対のクライマクス

ガリラヤ湖面にいざ着水

隣人に与う秘蹟から奇跡

口移しするフィナンシェの福音は

軽くて甘く ほろ苦い

その瞬間は歴史の三時


既に君はエヴァンジェリスト

福音への追憶に口にするのは

神様の作る気まぐれのチャイ










ae