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イフ




 例えば、ロケットが、宇宙へ飛び立つところを目にしたら、私は、全てを捨てて彼にエールを送ることができる。彼は、一人闇の中を行くから、そこに見て取るものがあるのだ。誰かの助けがあるかもしれないが、確約は無く、友人と言えるものは何も無く、それでも、生まれたことの答えを信じ、先にある神秘を疑わず、身体の緊張に心地良さを感じている。時間は無い、よって速度も無い。進行は意志のみによって実現する。彼にとって闇は知人であり、そこには敬意がある。闇もまた彼に敬意を払い、ここに光るものがあると、彼に教える。







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