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振り子とまなこ




時空価と自他を導入する

時:リズム、テンポ、音楽の続き方
空:何処、場所、地場
価:本質的に生起する事柄
 :運動感覚感情 || 想念 ∞ 言語 || 思考

補足として

感覚:触れる、食べる・呑む、見る、聞く、香る・匂う
感情:喜怒哀楽、残酷慈悲享楽、平静驚嘆慈愛
思考:目的①自に対する他の時空を拡張展開発展発達させながら他価を充足しつつ他に自価を注入していく、目的②他の属性と傾向を掌握することで自から他への対応を最適化し、よって他を自の緩やかな統制下に緩やかに収めつつ他を他として充全に発展発達させていく

以下は
目的通りに思考し行動するに資する
一つの連綿なイマージュである



私の前に座る振り子がある

私は振り子を自由に揺らす 無理なく柔らかく静かに揺らす 一定のリズムで反復しながら時に急峻なテンポで振り幅を拡張または収縮させる 球の軌跡についても一定と不定を安定して織り交ぜることで球の軌跡がより大きな球の裏面を撫で尽くすような運動を実現する 彼方此方へ揺らす過程で 球が投げ出されるほどに強く揺らすこともあれば 支点直下に球を緩やかに静止させることもあり 運動の全体全期間に混ぜ込まれたそのような絶対静止は無色透明明鏡止水の刹那として振り子の記憶に刻まれつつ この刹那に時に振り子は振り子であることを辞めて糸を手繰って上昇し 中空に浮かぶ一つの球と成り果てることもあり その時にはこの球を一つの眼球として二つの眼が相対 一つの眼球を相挟んで自他が互いを覗き込む状態が実現される 鏡像が重なり合って互いが互い唯一の実像となりその瞬間に人格の大部分が交換される 少なくとも一方から一方へそのような大規模な交流が達成される それは交霊と呼ばれる程の強度の交感であり文字通り交歓 交わりを歓ぶことであって 他は自他の交わりを越えたある種の融合体験とその感覚に悦びを憶え 実際として自分が何を欲求し欲望しているのかについての信念をいつの間にか改める そのことの気付きに生まれる粗熱がとれた暁に三度 共有された眼球は中空に浮かぶ球へ戻りそして糸に繋がれながら下降して振り子へと帰っていく 孵っていくのであるが 糸や球の質感そして振り子の本質であるところの振られや揺れという運動の質感 その強度や方向そして音楽性が変異 何らかの意味合いで発展発達していることがある そのことを振り子は知らず 自らを持つ他なる自が自らを揺らしながら海へ海へと歩を進めていることも知らず 自が自として他と共に太古の奇奥へ還ろうとしていることにも気が付かない されど反転したメトロノームの奏でる安定と不定の音楽は揺られながらも紡がれていき 最期には波の漣の音に重なっていく 古くから響く新しくも懐かしいその調べの中で 自他は共に全てを忘れて自由のみを知り直し 空の振り子は海の魚となって泳ぎを知り お前は遂に一つの海でありそこを泳ぐ魚として完結する












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