夢 ・ 便り



お便りありがとう あなたが私の夢の中で夢をみるのは それだけ私たちが想い合っているだなんて 言うこともできるけれど それ以上に多分私たちは 過去のある時点で強烈な記憶を 共有してしまったのではないかしら それは一つの幸福でしょうが 内訳としては喜劇と悲劇の間の子で 消化吸収できない嘔吐のような繰り返しをしてるだけとも言えるでしょう 結局のところ今どんな表現を選ぶかは 私たちがどのような関係を作ろうとしているのか そんなことの傾きに関わっているのかと思われますが こちら私と致しましても もしあなたが本当に困ってしまったり そうして本当に私に声を掛けなければならないと感じたときには 応えようとそう思うので 身体の下から声が聴こえたら聴かせて下さい 記憶リフレインのためではなくて 記憶から足を洗いたいからでもあるし また 人類を大まかな種族に分けるのであれば 多分私たちは同じところに入りますので 同族のよしみとして触れ合いたいのです 今あなたの身の回りにいる生き物たちは その殆どが違う種族から来ていて だからこその安定と繁栄の上に 安寧として寄り添って生きているのかとおもいます それはひとつの不可知な不思議 確かに生き物というものは 自分と違う組み合わせと組み合わされることを望むようで そんな安寧はあなたの立派な健全さのあらわれですが 時としてねえ 同じ種族の動物と 狭い一緒の空間で 最期には殺して食べてしまうような交わりを 自分を濃くしてしまうような交わりを したいとも想うでしょう ねえそんなお便りは私も同じで 季節の折々の興奮のさなかに そんなことをおもうんですよ




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