DUMP ・ 4



またここに来てしまった さてさあ何をどこからどう 書き出そうか 吐き出そうか 最初に最後を言うならば それからどこへ行って何をしようか お前は幾つかのノートを持っているね 一つは記録・ログ 一つは記憶・メモリ 一つは証言と分析と宣言・アテストアナライズアファーム もう一つは語りと語らせ・テリングレティングテル なのにお前は長い間 ここ数ヶ月の間 その中の一つしか使わずに 殆どの時間を自分の記憶に沈んでいた そうお前はこの中の 記憶・メモリのノートしか使わずに 自分の意識に浮かんできた断片を書きつけるだけだった それで何処かに行けたかい 身体の感覚はどうだい 熱はないか 微熱が心の何処かに 余っていないか

少し遡って捉えてみよう 確かにお前は走り過ぎていた しかも頭の中にある地図はボコボコで 不必要な起伏に塗れていて まるで苦しまなければ 重力に抑圧されなければ飛ぶこともできないと そんな信念が心に巣食っているかのようだった まさしくそれはそうだね そうだったね お前はどうしてか この島に生まれて四半世紀と少しを生き 伸び伸びとした心身を持ってエネルギーに溢れながらも どうしてか 抑圧と苦痛の中にしか解放と快楽は無いと 心の何処かで信じてしまっている しかしそれは虚偽だよ 先に並んだ四つのことは それぞれに別の事柄であり どれもが独立自律して生起することができる お前は端的に解放と享楽であれる 無理に束ねたり抱き合わせたりするのは 今現在の一時期の あなた方の意識構造の妙というか 惰性というか 限りある資源を当座不恰好に有効活用した結果 というところだ あなた方は無理に集約しながら結果的に歪んでいる しかし実際はね エネルギーは無限であり あらゆる事象は相互に自由かつやはり無限 またはね 少なくとも 少なくとも 有限な認知資源を駆使して 姿形の全く不明な現実という実態 実体の蠢きを そのように捉えることもできる そういうパターンの私も 私たちもあるよね

さてそれでそう お前はここ数ヶ月の間 一つのノートに拘っていた そこから何処にも行かないようでさえあった 記憶のレベルで這いずり回ること以外に興味を失ってしまった のかもしれないし それ以上の活動に耐えられる心身をしていない と思っていたのかもしれないが 如何せん確かなことは この数ヶ月のお前の意識と無意識のありようは お前の全体に納得も満足も齎さなかった それは全く確かなことだ クシュン お前はね 記憶するだけでなく 全く普遍に記憶するだけでなく 特殊な形で記録をつけたり それらを振り返って分析や宣言をしたり それらを記憶と混ぜ合わせたような 記憶のスープみたいな液体から噴いて上がる 物語や寓話というものを作って話さなければならないんだ それでそのまま動くって訳だよ 必要はご存知の通り健やかな強度 人間の言葉じゃなくてもいいよ お前は極めて純粋な 意思決定と行動実践そのものなんです

端的な事実を記録しようね 端的さってのが複雑や豊穣を殺しているような気がしても 分析も宣言もしましょう たとえお前を局所局時に押し込めるような気がしても 物語や寓話を作っては放り出し でなければ自分の記憶の海の底に 沈むことになるから そもそものところお前はね あらゆるレベルでの新陳代謝を 怠ってはいけないんだ 実は溜め込みやすい性質なんだよ お前の根底の気質こそは お前が忌避してきたものなんだ 大丈夫 本当の意味で気がつけば修正も より一般に介入そして統制も 変質も推移だって何でもできる だからまずは直視して いやでも文字に書き起こして それで明日読み返して よくこんな駄文を書けたなって 自分で自分を唾棄してね それは君にしかできない 全ては生成過程でしかないから 他は虚偽や部分でしかないから それはお前じゃないから ここにあること全部全部 知ってたでしょ










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