内側にドクドク



多分今、前頭前野の内側部あたりに、ドーパミンがドクドクと流れ込んでいるんだろう


そういう時には優しい人になりたくなる

そういう時にはこの土地には

かつて幾つもの文明があって、今も幾つかの文明があり、そこに色々な人がいて、今も色々な人がいることを思い出す

今をそのように感じる

緩やかで大きな人間関係を文明と呼ぶとして、人間と文明が一緒になって生まれては消えていくことのリアルを感じる

目の前の人は死に、奥の人は死に、誰もが死に、そうして緩やかに大きく生き続け、それもまたいつか死ぬ、の繰り返しを繰り返す日々を生きているこの不思議を感じている私もいつか死ぬ

ああ多分このときはそんな気分だったんだねとあとからこれを読む私も死に、ここまで読んだあなたも死んで、私達の祖父母はもうすぐ明日には死に絶える

なのに終わらず今日に至る一方で西ゴート族の全員がもう死んでいる不思議

それとも彼らはまだどこかにいるのだろうか そのように考えてもいいのだろうか この問に応える代表者なんているのでしょうか 

誰か応えてくれる人は居ませんか

ここから生まれる唯一神なんて、私がもいで食べてしまうから、安心してひょっこり現れて、うんそうだよと応えてほしい

西ゴート族の生き残りに、ローマを潰した気持ちよさを語ってほしい

一番大きな新陳代謝を回したその時に、何を思ったのか教えてほしい


ねえいいだろう だって覚えているでしょ


ここまで書いて私は電車を降りて帰路につく

内側にまだドクドクと流れているこれが

いつまでもいつまでも終わらなければいいと思う




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