虚無のヒト
荒野に線路が張り巡らされている
まるで蜘蛛の巣 網の目のよう
ある人がある駅でうなだれている
「 もう電車はやって来ない 」
これは絶望のヒト
8マイル向こう側を
他の駅目指して電車が走る
ある人がある駅で踏ん張っている
「 もうじき電車がやって来る 」
これは希望のヒト
8マイルの旅を終え
電車が一両その駅に着く
ある人が路線図を書き変えている
「 もう待たなくてもいい 」
これは体系のヒト
進化と絶滅を身に纏い
新しい幸福を想像しながら
無限の作業量を噛み砕く
ある日全ての線路が消えた
「 水の匂いがする 」
これであなたは虚無のヒト
求める無限はすぐ分かる
大地は空と足の下
さあどこまでもゆけ虚無のヒト
お前の革命を為すために
ae