お祭りお帰り

お祭りを梯子した

一つは踊り子　一つは消費者

色んな顔の　人がいる

終わり際がみえない

日と提灯の紅　重なってすれ違い

夜に空気が閉じ込められて

湿度が移り気を誘う

あなたそれおいしそう

ぼくはねえこれにする

ちょっとたかいよすくないよ

声声声　色んな音の　言葉がある

その向こうで影が揺れて人間が踊る

夕暮れに蝉が叫びを上げる

連れられた犬は不満を漏らし

初めての赤子は戸惑いに泣き

父親が最後に娘を連れている

木陰からじっと見ている一人の人

その根に座り肌触れる恋人達

彼らを写真のように記憶する今日の私

れいれい　れいれい

よく聞けば鼓膜裂く　蝉が叫びを上げている

終わり際がみえない

帰る場所はどこかへ