![原色の庭](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20518482/rectangle_large_type_2_23cc37daa687e8f7aaff394585eb9bc6.jpg?width=800)
透明な世界
時間が遅れてくる
理性と呼ばれてきたものは
視界となって時たま顔を出し
そうじゃないみたいだ
と一声だけ掛けていく
その他のことは全て知っている
鳥のような小脳が唸りを上げ
身体はその重さ分の効力を発揮する
道を曲がる前から崖の先の風景が見える
キャンバスに絵を描く未来の感情さえ見える
川の流れが話し掛けてくる
そうさそいつをどけてくれ
許されないスピード
事実がシルクロードを一瞬で駆け抜け
抽象が重みを獲得し
具体が手触りを失う
ドン・キホーテを書き始めたころのセルバンデスは
まるでこんな気分だったらしい
じゃないと説明がつかないよ
こんな透明な世界は
ae