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懐かしさの裏に置いてきぼりにしているもの

最近よく「懐かしいな」と思うことが増えた。

私が小学生のときに流行っていたカードキャプターさくらの漫画がいまなかよしで連載されていて最新巻が発売している。日曜日の朝にデジモンアドベンチャーが放送されている。コロナの影響で再放送されているドラマは私が小中学生のときに見ていたものだ。ああ懐かしい、このときは1999年で私は幼稚園児、あのときは2005年で私は小学5年生で、漫画の中のセリフを信じて逆上がりがんばってたなとか、ドラマのシーンを学校の友達と真似して遊んだなとか、たくさんの楽しい記憶が蘇る。私がまぎれもなく子供だった時代。いまは2020年で令和なのに、気持ちは1999年や2005年の平成みたいな日々。

その中でふと、

私、2020年の子供達を置いてきぼりにしてない?

と思った。

子供達は何をいま楽しみにしているのだろう。テレビはきっと見ていない。だって私達が懐かしいと思う一昔前のドラマしかしていない。バラエティは面白いyoutuberの人で事足りてるよね。Twitter、InstagramとかのSNSを更新する日々なのか。どうぶつの森とかモンハンとかやってるのかな。ていうか、いまって子供達にとって楽しいと思える日々なのだろうか。そんなことを考え始めたらいまのこの懐かしい気持ちが気持ち悪くなった。

そして、

あれ、私何も新しいもの生み出せてなくないか?

と思うようになったらますます気持ち悪くなった。

麻薬だ。懐かしさは大人にとって麻薬だ。大好きな安心できる過去だけを見て、現在を見過ごし、未来を捨てる。私はいまそれをしている。そんな姿を子供達に見せていいのだろうか。何も新しいものを生み出せない停滞した淀んだ沼みたいな状態でいいのだろうか。

そんなことを昨日の夜から考え続けている。オトナ帝国の逆襲で当時しんちゃん側だった私達がひろしやみさえ側に立とうとしているいま、しんちゃんの言葉が痛いくらい沁みる。


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