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物語の種

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短いけど物語になりそうなもの
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#旅する日本語

萌芽は何処から

夜と朝が入れ替わるとき、過去と現在が交錯する 2016年冬 京都がまだまどろみの中にいる時間に 私は自転車を走らせていた 耳が痛くなるくらいの寒さと静けさが 寝ぼけ眼の私の五感を尖らせる 眠たげな朱色を放つ仁王門 龍が番をする手水 千年間生きた生き物の匂いがする黒ずんだ舞台 一歩進むたびに軋む音が緊張を煽る 意を決して 深く息を吸い込み目を閉じた まどろむあなたの顔が見える 昨夜遅くまで書いていたのだろうか 筆を手にしたままだ 起こすのは悪いかなと思ったが どうして